【ポケカAdvent Calendar2023 11日目】シルバーメダルの、その先へ
どうも、季節の変わり目ですぐ体調を崩しがちな8歳の幼女、もみじねこです。
普段は札幌でポケカを嗜みつつ、当ブログにてポケカに関する記事を書いたり書かなかったりするしがない一般幼女です。
https://note.com/ichyo_poke/n/n55e1a01944a1?sub_rt=share_pb
去年に引き続き、今年もいちょーさんのポケカアドベントカレンダーに参加させていただきました。
12月1日から12月25日まで毎日持ち回りでポケカに関する記事を書いていくというイベントで、戦術的な記事からポケカにおける個人の歴史のような記事まで様々なものを読むことができます。
昨日の記事はささみさんの「ポケモンカードゲームは「運」のカードゲームか?」でした。
「運が絡むゲーム」であるのは確かだとしても、「運ゲー」の一言で片付けられるほど単純なわけでもつまらないわけでもない。
確率を最大化させるためにプレイヤー側が関与できる部分はいくらでもあるわけで、「人事を尽くして天命を待つ」の心が大切というわけですね。
さて、本日自分が担当する記事ですが、軽いイベントカバレージのようなものを書いてみようと思います。
現在自分は札幌におけるポケカ自主大会「POWERS」および招待制大会「Hi-POWERS」の主催の一員であり、今回はその中でも招待制大会の初回である「Hi-POWERS#1」にフォーカスしていきます。
(通常回はこちらで記事を書いていますので、良ければ併せて読んでもらえたらと思います)
元々原案はあったものの筆者都合によりお蔵入りになりかけていたのですが、良いタイミングでいちょーさんからアドカレのお誘いを頂き何とか世に出る運びとなりました。
環境考察のような今までのブログの内容とは違う、ある種慣れない形式に挑戦する記事となりましたが、熱量だけは高めで執筆したので少しでも楽しんでもらえたら幸いです(予防線)。
・シルバーメダルの、その先へ
「おはようございます」
時は少し遡り、令和5年4月8日。
まだ受付開始には少し早い、会場設営が完了してすぐの9時15分頃、寝不足故か僅かに気だるげな表情を携えてその男は会場に足を踏み入れた。
名は“ねりあめ”。後に「Hi-POWERS#1最強」の称号を手に入れる男である。
「お疲れ様です!今日はめちゃくちゃ楽しみでした。招待枠なんで試合も沢山できますし」
挨拶がてら運営が声を掛けると先程の気だるそうな顔から一転、そう言って顔を綻ばせる。
彼は「POWERSシーズン1」累計35ptの全体5位で本大会「Hi-POWERS#1」の優先招待選手となっており、予選リーグの結果に関わらず既に決勝トーナメントの進出までは確定していた。
(なお、予選リーグで8名中上位2名に入ると続く決勝トーナメントでの初戦が免除される)
予選リーグでBO1が7戦と決勝トーナメントのBO3まで確定しているということは、どれだけ少なくとも(仮にトナメ初戦敗退でも)9戦はやることになるわけで、人によっては「疲れ」の文字が浮かんできそうなところではあるが、そこを「楽しみ」と捉えられるのはひとえに彼のモチベーションの高さ故だろう。
さて、この先の内容のためにもここで少し、今回の主人公であるねりあめという人間に対しての深掘りを交えておこうと思う。
「勝ちたい。とにかく勝ちたいんですよね」
以前筆者が「ポケモンカードに対しての向き合い方」について訊いたときにはこう答えており、彼が根本から競技志向の(勝ちたがりの)プレイヤーである点は自他共に認めるところであった。
そして、その欲望と共に高いモチベーションを維持し続け、情報収集し続け、練習し続ける体力が彼にはあった。
「自分は1から構築を組むのが苦手なので、日々データ収集だけは欠かさないようにしています。今は動画や文章で様々なデッキやそれに関するプレイングが出回っている時代なので、なるべく多くの情報に触れ、『使ってみたい』と思うものがあれば積極的に取り入れるように心掛けています」
彼が他の人よりポケカに対し意識している点としてこの「情報収集」を挙げたことがあったが、ここまでストイックかつ継続的に取り組めているプレイヤーは当然ながら非常に稀である。
「既存のデッキが相手であれば、対戦中に55枚くらいは絞り込めるのでプレイングの分岐も考えやすいですね」
その豊富なデータ量から自分は初見殺しをされず、逆に相手に対してはスタンダードに仕掛けることも初見殺しを仕掛けることも可能。
そして、取り入れたデータをただ蓄えるだけでなく、常に自身の血肉として昇華し、アップデートし続けられるだけの練習量。
暇さえあれば右手vs左手を始める、そんな彼が万全の準備で臨み、「楽しみ」とすら言ってのける仕上がりに、我々運営陣も少しばかり(運営とは中立でなければならないのは承知の上だが)期待を寄せる。
思えば「POWERS」における今シーズンの彼は(元々強いプレイヤーではあったが)一つ強さのランクを上げたように感じる。
少し昔の話ではあるが、彼は元来非ルールの軸を好むプレイヤーであった。
筆者が初めて彼をプレイヤーとして認識したときには【ジラーチサンダー】を使用しており、以降も【マッドパーティ】や【連撃テンタクル】、【ロストバレット】など時代を代表する非ルールを乗りこなしてきた。
勿論それら非ルールに対する造詣の深さが一級品であることはこれまでの彼に対する紹介から言わずもがなの部分ではあるが、加えて彼の手持ちに「ルール持ち」のポケモンが参入しつつあるのは記憶に新しい。
「POWERSシーズン1」も初回の準優勝は【ヒスイゾロアークVSTAR】であり、以降も【ギラティナVSTAR】、【ヒスイヌメルゴンVSTAR】等で各POWERSでの入賞を重ねている。
これはつまり、彼の脳内に「捲り」の選択肢がインプットされたことに他ならない。
元々【非ルール軸】のデッキとはブレーキの壊れたスポーツカーのようなもので、「バトル場のポケモンが相手の攻撃を耐えること」による時間稼ぎを狙えない以上は「相手よりも先に走り切る」しか勝ち筋はない。
非ルール故にサイドを取られる枚数が少なく、自身の喉元に刃が突き付けられるまでに幾分かの猶予があるのは確かだが、それはあくまでも「どこまでのらりくらりできるか」という話でしかなく、結局アクセルを踏み始めてからはフルスロットルの勝負なのである。
(だからこそプレイングのゴールがわかりやすいという利点もあるにはあるのだが)
しかし、ルール持ちはそこに留まらない。
「高HPを壁にする」という概念が存在するので、手札干渉等と合わせて(〈ボスの指令〉などを引かれなければ)意図的にゲームを1つロングにさせることが可能となる。
当然この肌感覚は一朝一夕に身に付くものとは言えないが、驚くことに今までほぼ非ルールしか使用していなかったにも関わらず彼はその練習量からここの感覚についても難なく適応していった。
むしろ「盤面を絞る、展開する」、「サイド2のポケモンを出して良いのかダメなのか、いつ何体出すのか」辺りのルール持ち特有の肌感覚については筆者も唸らせられる部分があるほどだった。
プレイングにおける自分の武器というのはいくつあっても困ることはないが、まだルール持ちをメインに据えて半年も経たないままここまでオールマイティーに対応できる素質があるのならば、それは自主大会で常に安定した結果を残せるのも頷ける。
さて、そんな具合で彼の紹介をしている間に「Hi-POWERS#1」の予選リーグが終了した。
彼は当時流行りの【ロストカクレオン】を握り4-3だったようだが、「Hi-POWERS#1」では予選リーグから決勝トーナメントにかけてのデッキ変更が認められているため、決勝トーナメント進出が確約されている彼にとっての本命デッキは“ここから”というわけである。
「Hi-POWERS#1」決勝トーナメント。
彼が使用したデッキは、【ルギアジュラルドン】だった。
このときの時代の長は【ルギアVSTAR(一撃)】や【ロストバレット】。
ルール持ちに適応し、捲りの選択肢を手に、豊富なデータ量からの環境読みを携え繰り出される一手は決勝トーナメントそのときまで温存していた正に秘蔵の「初見殺し」。
「いやぁ、ジュラルドン、いけると思うんですよね」
今までの傾向からおよそ【ロスト軸】の何かしらだろうと目星を付けていた運営陣の驚く顔に対し、彼は苦笑混じりに頭を搔く。
そして、その環境読みを祝福するかのように、決勝トーナメント初戦、相対するパッパ選手が握るデッキは【ルギアVSTAR(一撃)】だった。
1本目、事故にてバトル場以外にポケモンが並ばないパッパ選手に対して2ターン目のストームダイブで勝利するねりあめ選手。
悲しいかなパッパ選手にとってはこの事故に関わらず、既に勝敗はほぼ決していた。
2ゲーム目、ねりあめ選手から繰り出されたのは〈ジュラルドンVMAX〉。
当然、打点はない。
そして、〈ジュラルドンVMAX〉の裏に無闇にベンチポケモンを並べるようなプレイヤーでもない。
〈ジュラルドンVMAX〉単騎のねりあめ選手に対してパッパ選手は為す術なく殴られ続けることしかできないまま、ゲームカウント2-0でねりあめ選手がトーナメント初戦を勝利で飾った。
幸いなことにメタ読みがクリティカルヒットし、トーナメント初戦をイージーに終えたねりあめ選手に最初の山場が訪れる。
トーナメント2回戦目の対戦相手は言わずと知れた最強格、北の古豪楓選手である。
前シーズンのCL宮城ではスイスドロー予選を13-1、DAY2を1位抜けと“凄まじい”を遥かに通り越した結果を残しているが、そのとき使用していた構築は【ルギアVSTAR(一撃)】だった。
CL宮城から一週間しか経っていない「HI-POWERS#1」、もしかしたらそのまま同じ構築を持ち込んでいるかもしれない。
であれば先程同様〈ジュラルドンVMAX〉を立てるだけでイージーを狙える……と、思ったのも束の間、現実はそう簡単に楽をさせてはくれない。
楓選手のスタートポケモンは〈ミライドンex〉だった。
〈ジュラルドンVMAX〉の特殊エネルギー耐性をすり抜け、〈ルギアVSTAR〉は弱点で倒されてしまう。
一見かなり不利に見えるマッチアップ。
しかし、勝機も十分にある。
一度成立した〈ジュラルドンVMAX〉を簡単に処理する方法が【ミライドンex】側にはなく、キョダイフンサイの打点も220とexポケモンやVポケモンを倒すのには非常に都合が良い。
「如何にして〈ジュラルドンVMAX〉で効率良くサイドを取るか」
対
「如何にして〈ジュラルドンVMAX〉を成立させないか」
の対戦が始まった。
ねりあめ選手、魂を賭けたジャンケンに勝利し、最初の〈ミライドンex〉を先攻2ターン目のストームダイブで処理しながら次のターンにつつがなく〈ジュラルドンVMAX〉まで成立。
やはり、如何に【ミライドンex】が足の速いデッキといえど、後攻2ターン目から裏の〈ジュラルドンV〉を〈ボスの指令〉からフォトンブラスターで倒していくのは流石に難易度が高い。
〈ジュラルドンVMAX〉が安着したことが幸いし、1ゲーム目はそのままねりあめ選手が2-2-2のサイド進行で殴り勝つことに成功。
しかし、逆もまた然り。
当然2ゲーム目で先攻を選んだ楓選手が今度は〈ボスの指令〉も絡めて〈ジュラルドンVMAX〉の成立を許さぬまま2-2-2のサイド進行で返していき、ゲームカウント1-1にて最終戦へ。
ねりあめ選手の先攻初ターン、〈ルギアV〉も置けてまずまずの立ち上がりに対し楓選手の顔色は芳しくない。
手札を見てみると、大量の〈基本雷エネルギー〉と〈エレキジェネレーター〉が2枚、そして嘲笑うかのような〈博士の研究〉が1枚。
スタートポケモンが〈ミライドンex〉ではなかったことも災いし、せっかく2枚も引き込んだ〈エレキジェネレーター〉の当て先もおらず、かといってこれら大量のエネリソースを切り落としながら〈博士の研究〉で走っても後半に息切れするのは目に見えている。
「このままパスし、次のターンのトップドローで後続、ひいては〈エレキジェネレーター〉の当て先になるポケモンを引く確率に賭けた方が良いか……?」
寸刻の逡巡をめぐらせたのち、「流石に先2アッセンブルが成立するだけで種切れ負けする選択肢は無しか」と苦虫を噛み潰したような顔をしながら〈博士の研究〉をプレイし、手札の全てを切り落として先に進む楓選手。
流石に後続は引く。が、その引いた7枚の中に〈基本雷エネルギー〉や〈エレキジェネレーター〉の姿が1枚も見当たらないのは、成る程「カードゲーム」らしい残酷さが見え隠れしている。
殴り出しが遅れてしまった楓選手、追い付けぬまま、ねりあめ選手が逃げ切る形でタイムアップ。
残サイド2-5によりねりあめ選手が決勝に駒を進める。
そうして遂に迎えた決勝の舞台。
最後の壁として立ちはだかるのはSK選手。
「POWERS#5」、「POWERS#6」での2連覇からポイントレース全体1位で「Hi-POWERS#1」の優先招待権を得た選手である。
彼が握る構築は【アルセジュラルドン】。
決勝は奇しくも〈ジュラルドンVMAX〉のミラーとなった。
このマッチアップはお互いのエンジンである〈アルセウスVSTAR〉や〈ルギアVSTAR〉がそれぞれの〈ジュラルドンVMAX〉に対して打点を持ちにくいため、如何にして〈ジュラルドンVMAX〉で〈ジュラルドンVMAX〉を倒せるかが鍵である。
序盤、SK選手の〈アルセウスVSTAR〉がねりあめ選手のバトル場にいる〈ルギアV〉に対してトリニティノヴァを撃つ展開。
SK選手としては無難な、というよりかは手札的にもそうならざるを得ないような一手ではあったが、その隙を逃すような彼ではない。
すかさず〈ボスの指令〉+〈ポケモン入れ替え〉からキョダイフンサイで相手の〈ジュラルドンVMAX〉を傷物にすることに成功。
このような大型ポケモン同士の殴り合いで一手先殴りすることは、ゲームそのものが決まりかねないほどの有利をもたらす。
返しに相手からキョダイフンサイを受けてこちらの〈ジュラルドンVMAX〉が傷物となるも、そのまま同じくキョダイフンサイで相手の〈ジュラルドンVMAX〉を倒すことに成功したねりあめ選手。
最初にトリニティノヴァを撃ってきた〈アルセウスVSTAR〉には〈ダブルターボエネルギー〉が付いているため、こちらの〈ジュラルドンVMAX〉が倒されることはない。
かといってわざわざ〈ダブルターボエネルギー〉を逃げエネとして消費しながら基本エネルギーを貼り直して殴るほどの時間的猶予もない。
〈ジュラルドンVMAX〉が生存しているという優位を手に、そのままリードを広げながら、ねりあめ選手は1ゲーム目を手にした。
2ゲーム目を前にして少しだけ話が逸れるが、「敗者のゲーム」、「勝者のゲーム」という考え方をカードゲームに落とし込んだ記事が以前SNSで流れてきたことを、この文章を書きながらふと思い出した。
曰く、「敗者のゲーム」というのは「敗者がゲームを終わらせる」、つまり「ミスによって終わるゲーム」で、初心者同士が相対するゲームに多い。
逆に、「勝者のゲーム」というのは「勝者がゲームを終わらせる」、つまり「優れたプレイにより終わるゲーム」で、熟練者同士が相対するゲームに多い。
「敗者のゲーム」で必要なことは「ミスをしないこと」で、こちらが負けなければ相手が勝手に負けてくれる。
しかし、「勝者のゲーム」では、相手のミスにより敗北は期待できない。つまり、何かしらで相手を上回る必要性がある。
ここで、当該記事は「選択肢が少ないプレイング面で相手を上回るのは難しいが、デッキ構築の面ならば無数に近い選択肢があるので相手を上回る、つまり勝者のゲームを行える可能性が高い」という主旨を述べている。
そういう意味で、今回のねりあめ選手およびSK選手の〈ジュラルドンVMAX〉というアプローチは「勝者のデッキ構築」だったろうと言える。
そして、決勝戦の2ゲーム目、ねりあめ選手のプレイングは「勝者のプレイング」でもあった。
後攻2ターン目、ねりあめ選手のトラッシュには〈アーケオス〉が1枚、手札にも〈アーケオス〉、そして〈セレナ〉も一緒に抱えていた。
ついでに〈ルギアVSTAR〉や〈ジュラルドンVMAX〉も抱えていたのだから後攻2ターン目としては文句無しのハンドである。
〈セレナ〉で2枚目の〈アーケオス〉をトラッシュしつつ手札を増やし、アッセンブルスターで〈アーケオス〉2体からそのまま前を殴り始める、いかにも綺麗なストーリー。
しかし、その〈セレナ〉が2枚目の〈アーケオス〉のトラッシュとして使われることはなかった。
ターンを貰ったねりあめ選手はノータイムで〈セレナ〉の裏呼び効果を使用。
呼び出したのはベンチに1体だけ立っていた進化前の〈ジュラルドンV〉。
手貼り+1アッセンブルで〈ジュラルドンVMAX〉を起動させながら、これを即座に倒していく。
「ベンチに〈ジュラルドンV〉が1体だけならそこ取っちゃえば1アッセンブルでも多分間に合うなって相手のターン中に思ってました。あえて1アッセンブルでゲームを進める練習とかを一人回しでやってた成果が出て良かったです」
後にこう語る彼は、その日勝つべくして勝つプレイヤーそのものだった。
SK選手もゲームに勝つためには〈ジュラルドンVMAX〉を成立させねばならない。
再度〈アルセウスVSTAR〉を前に、ドローサポートからボールまで繋げて〈ジュラルドンV〉を着地させる。
しかし、無情か、はたまた優れたプレイに対する報酬か、前のターンにねりあめ選手が〈ジュラルドンV〉を倒して得たサイドの中にあったのは〈ボスの指令〉。
SK選手の頼みの綱である2体目の〈ジュラルドンV〉も〈ボスの指令〉からキョダイフンサイで突破されてしまい、サイド残2-6から捲る手段もなく、そのままねりあめ選手が「Hi-POWERS#1」の優勝を手にした。
「やっと勝てました。公式、公認、自主大会全部含めて、ジムバトル以外で優勝するの初めてなんですよ僕」
驚くことに、「POWERS」以外の北海道で開かれる自主大会も含めて非常に決勝トーナメント進出率が高い彼であったが、ずっとシルバーメダルコレクターだったという。
そんな彼がようやく手にした「優勝」という称号、喜びもひとしおである。
「自主大会での優勝は達成できたので、次はシティリーグやCLで勝ちたいですね」
これもまた驚きだが、自主大会の安定感に対して公式大会での成績は反比例するかの如く低い。
シティリーグでも予選落ちが続き、CLでも4-3や3-3の成績が並ぶ。
「なんか公式大会になった途端に勝負弱いんですよね。メンタルには自信があるつもりなんですが」
確かに公式大会で勝負弱いのは筆者の知るところでもあり、環境にほぼ存在しないような謎のメタデッキが自分の構築にクリティカルヒットしてみたり、〈ツツジ〉を撃ったら相手の手札の2枚中2枚が有効札だったり、「確かにそんな日もあるけど別に今日がその日である必要はないじゃん」といった憂き目に遭いがちな姿をよく見る。
しかし、彼の真価はそれでモチベーションが落ちないところにある。
どんなにキツい負け方をしても、結局次の日には一人回しをしているし、ポケカの情報収集も怠らない。
そして、その姿を見ている限り「間違いなくいつか公式大会でも勝てるな」と、筆者はそう思うのである。
「必ず当たる雨乞い」という話がある。
単純な話で、「雨が降るまで雨乞いを続ける」という話だ。
彼もそれと同じで、いつか勝つまでポケモンカードをやり続ける。
なので、きっと、いつか勝つのだろう。
筆者も競技シーンに足を踏み入れてそれなりの年月が経過するわけだが、やはり「努力する者が結果を得られるような環境」であってほしいと思う。
いつか勝つ、その「いつか」が可能な限り早期に訪れることを願い、今後の彼の活躍に注目していきたい。
以上をもって、本記事を締めようと思う。
定期刊行の「POWERS振り返り記事」とは異なり、こちらは不定期刊行、次があるかも定かではないが、もし次があればそのときもまた読んでもらえたら幸いである。
・終わりに
以上、「シルバーメダルの、その先へ」終了となります。
明日の記事はソラさんの「Re:やる気ゼロから始めるポケカnote執筆集中法〜集中したいけど出来ないことってあるよなぁ〜」です。
自分も毎回記事を書くときのやる気のブレがとんでもなく激しいので、どんな内容になっているのか相当楽しみです(是非参考にさせていただきたい)。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。