猫はやっぱりノルウェージャン!

威張る幼女の戯れ言日記

アクセルとブレーキ

どうも、楽しくマッパを握っていたら急に出てきたミカルゲに破壊された8歳の幼女、もみじねこです。


https://maplecat.hatenablog.com/entry/2021/01/19/033520

前回の記事は「山の逆圧縮防止」の観点から「動かないプレイング」を説明しましたが、今回は「試合の展開を把握したら現状動く必要がないので結果的に動かなかったプレイング」を説明していこうと思います。
(前の記事は常体で今回の記事は敬体なのは勢いで全文書いてから直すのが面倒になったからです。各記事内で統一されているならいいかなって感じで)




・「ブレーキ」の存在を認識しよう


「僕だったらそのターン特に動かないです。ドロー、手貼り、技撃ちます。終了。で、ターン返します」


フリー中の友人のプレイを後ろから見ている自分はよく上のような言葉を口にします。


単純に“動く必要がないから”動かない。


自分は「走るべきターン」=「特定のパーツを揃えねば負けに直結するターン」以外は基本的にプレイングにブレーキを踏んでいるような印象です。
(何故なら走らなくていいので。下手にカードを消費する理由もありません)


リソースというのは基本的には使えば失われていくもので、手札と山札にリソース=選択肢が残っていれば残っているほど自分のできること(ゲームプランの分岐)が増えて、柔軟性を増していきます。
(当然前の記事で言うところの『スタンプ耐性』にも繋がります)


逆に、アクセルを踏めば踏むほど終盤に残された選択肢が少なくなり、例えば「どうせ厳しいゲームならこのターン一旦リソースをキープして次のターンに全てを賭けた方が良いのに何も考えず雑に動いたせいで捲り札が無くなっちゃった」なんてことも有り得ます。
(自分はこれを『緩やかな死』と呼んでいます)


これを回避するのが「ブレーキ」の思考です。




・「ゲームの展開を事前に準備する」

で、このアクセルとブレーキ問題ですが、ピンと来ない人は「自分の構築の勝ちパターン、勝ちルート」をはっきりと把握できていないことが原因なのかなと思います。
(これをすれば勝ち!を目指すのではなく、何となく殴って何となく勝って、何となく負けて、を繰り返しているような)


「このターンは何がなんでも走るべきターン」

「このターンは最高でA、最低でもBのパーツを集められればそれで十分なターン」

「このターンはまだ動かなくても大丈夫な(即座にゲームに負けるわけではないのでリソースを温存しておくべき)ターン」


そもそもこの区別が付いていないのならば、当然リソースを吐く吐かない、アクセルを踏むのかブレーキを踏むのかの判断ができません。


これを解決するには「試合を通して自分が勝てるパターンの分岐を最初から大まかに把握しておくこと」が大事だと思います。


試合の展開が見えれば「このターン最低限やりたいこと」がわかるので、その“最低限”さえクリアできればあとは特に走る必要はないというわけです。




3神ザシアンで試合展開の具体例を簡単に挙げるなら、


①2Tオルター後に3神が生き残っている場合

そのままアルティメットレイまで繋がれば、返しに3神が倒されてもザシアンのブレキャリで傷物にした前のポケモンを追い掛けて(180+260)サイドを3~4枚進められる。そのザシアンが仮に倒されたとしても、相手は3神とザシアンでサイド5枚しか進めないので2体目のザシアン+ボスで勝ち。


②2Tオルター後に3神が倒される場合

返しにザシアン起動からボスでデデンネorクロバット、次のターンも同様にボスからデデンネorクロバットの3-3進行がメイン。もし相手が3神を倒した直後にザシアンも倒せるような火力を持っている場合(ムゲンダイナ等)、手貼り+ソーサー+ソーサー+ボスからの手貼り+ソーサー+ソーサー+ボスを要求されるのでかなり厳しいゲームに。
構築に朽ちた剣があり、3神を倒したポケモンのHPが290未満の相手(レッドパーフェクション等)だと手貼り+ソーサー+ソーサー+朽ちた剣で前を飛ばしてサイドを進められる分ボス要求ではないので少し楽。
デデンネが出ているならグレキャでも良いので繋がりやすい。


こんな感じになります。
(3神ザシアンは展開が読みやすい、という点はありますが)




他にもレッパvs3神のレッパ側後手視点なら


①オルター前に後1ホラーハウスGXで時間を稼ぎ、後2大開花、後3大開花でアルティメットレイまで言わせない

②オルター後の後2フレアドライブGXで3神を吹き飛ばし、アルティメットレイまで言わせない

③後1ファイアローVの紅蓮の翼や大開花で前の3神を傷物にするところからスタートする
(このパターンの場合、バトル場に3神が居なくて傷物にできなくても前のザシアン等を倒してサイドが進むならギリギリセーフ。ミュウミュウやレシリザでスタートした場合、相手のバトル場に3神が居るなら傷物にするためだけに3エネダブルブレイズでGX権消費も許される)

④オルターからアルティメットレイまで許してしまいそうな場合、ベンチを絞り、アルティメットレイでサイドが進まない展開を作ればミラクルツインGXで回復することで次のブレキャリ260をミュウミュウが耐えてワンチャン生まれる

これら①~④のどれかを成立させた上で、3神を飛ばした返しに「手貼り+ソーサー+ソーサー+朽ちた剣ブレキャリ290」が飛んでこなければザシアンと残り適当なポケモンを1体処理して勝ち。ベノムシュートの準備までしておけばラストターンにボス要求にならずに済むので理想。


みたいな感じでしょうか。


こんな感じで「各対面でどのターンに何をしたいか、何をすべきか」が見えてくると試合の先が見えてくるので対戦中に「今走るべきか否か」がわかるようになります。


更なる具体例を挙げるなら3神ザシアンvsムゲンダイナ、自分が先2オルターに対してお相手は上手くポケモンが並ばなかったようで後2ドレッドエンド180。


自分のハンドには鋼エネルギーとプレシャスボールとその他数枚、ベンチにはザシアンやクチートがいるのでとりあえずアルティメットレイからアタッカーにエネを付けるところまでは確定できている状況。


また、現状相手のベンチにはクロバットが居るのでボスを引き込めばこのターンにサイドを3枚進めるルートも狙えそうではあります。
(今回はベンチのクロバットがVMAXに進化するパターンはないものとします)


こんなとき、手札のプレシャスボールからデデンネでボスを探しにいくか否か。


僕ならドロー手貼りアルティメットレイで即ターン終了します。


理由は当然、「このターンは走らなくても大丈夫なターンだから」です。


何故それがわかるかといえば、上記の「①オルター後に3神が生き残っている場合」にある「アルティメットレイ+ブレキャリで前のアタッカーを落として次のターンにボスで勝ち」のルートが事前にわかっているからです。


3神でムゲンダイナに180。3神が落とされ、ザシアン260でムゲンダイナ突破。ボスを撃つのは次のターンで十分というわけです。
(山彦ホーンや『裏縛られてドガスのバッドポイズンが~』みたいな話はさておき。ゲーム展開の具体例を説明したかっただけなので。山彦ホーンはともかく、レイまで繋がっている盤面ならドガスで1体毒殺される展開になっても勝てそうですけど)


このルートを把握しておくことで、今回はプレシャス、デデンネ、ボス等を温存することができました。
(当然、その分スタンプ耐性も上がります)


あとは今と同様に事前のルート想定の分岐をなるべく増やしていけば「走るべきターン」と「走らなくてもいいターン」の区別は勝手に付くようになってきます。
(レイまで繋がらなかったら?先2で前のザシアンが倒されてサイドが進んでいる展開は?といった感じで場合分けをしていきます)


また、当然「負けパターンの事前把握」もできるようになるので、例えば

「3神がオルター後に落ちたパターンで、即座に手貼り+ソーサー+ソーサーを抱えるのが厳しいな→だったらザマゼンタを1枚入れて、スタンプ+ザマゼンタ+不撓の剣で1ターンだけVMAX相手に時間を貰えるようにしたら手貼り権も稼げるしワンチャンあるんじゃないか?」

「そもそも3神がオルター後に落ちるのが悪いわけで、だったらお守りの枚数を1→2に増やしてみたり、エール団などで妨害してそもそもアルティメットレイまで繋がるようにする確率を上げることはできないだろうか?」

のような、「何となく強そう」ではない「明確な採用理由を持ったカードの投入」ができるようになります。


そうなると、「適当な60枚」から「明確な意志のある、洗練された60枚」が生まれ、あとはそれをブラッシュアップしていけば自然と「そのプレイングに合った構築」が出来上がっていくわけです。




・終わりに


ゲーム展開を“事前に”理解する

そのゲーム展開に沿ったプレイングを身につける(アクセルとブレーキを把握する)

事前に思い描いたゲーム展開を遂行させられるような構築に寄せていく(60枚の最適化)


このプロセスは上記の3神ザシアンなどに限らず全ての構築で役に立ちます。


また、当然のことながら全ての対面が「進研ゼミで見た!」対面になるのでプレイングに迷いが生じません。


特にCLだと緊張からリスク回避的な思考に囚われ適切な判断を下せなくなってしまう人は多くいます。


今度のCL愛知ではCL横浜落選者の当選確率が上がっている仕様上「大型大会めっちゃ久々! or 初めて!」という人も多いでしょう。


そんな中で信用できるのは環境読みでも緊張しないおまじないでもなく、経験に裏付けられた自分のプレイングと構築だけです。


最後に、僕が一番好きなとある記事の言葉を載せて終わりたいと思います。




「あらゆる要素が束になってかかっても、磨き上げられた技術から繰り出されるプレイほど勝敗に影響するものはない」