Re:ゼロから始めるアローラダブル【ポケモンランクver2.0&環境考察編】
上位勢によるカプ・レヒレでの成功により空前絶後のカプ・レヒレシーズンが到来中。
これにより水が一貫しやすい甘えたPTは全て濁流の底へと沈む結果に。
そしてカプ・レヒレとの親和性、また、相手側が使うカプ・レヒレへの対策枠としても扱えるカミツルギが爆発的に増加。
ガブリアス、カプ・コケコ、カプ・テテフ、ウインディ、トリトドン、テッカグヤ、アローラガラガラ、ポリゴン2辺りから6体選択だったスタンPTはカプ・レヒレ、カミツルギ、ウインディ、キュウコン+2体という形になっていきました。
全くもってメタゲームの変遷をひしひしと感じられる時代になったものですね。
さて、前回のポケモンランク考察は言わば発売前予想、この辺りで事実に基づいたポケモンランクをもう一度設定する必要があるでしょう。
今回も【A+】ランクのポケモンまでは軽いコメントを書いていきつつ、加えて現環境に対する考察も軽く書いていけたらと思います。
では、以下ポケモンランクです。
【S+】
ポリゴン2
テッカグヤ
カプ・テテフ
【S】
カプ・レヒレ
カミツルギ
ガブリアス
カプ・コケコ
ウインディ
アローラベトベトン
カプ・ブルル
【A+】
アローラガラガラ
ヤレユータン
ギガイアス
コータス
オニシズクモ
ペリッパー
ゴルダック
トリトドン
ウツロイド
フェローチェ
メタグロス
アローラキュウコン
ポリゴンZ
アローラライチュウ
【A】
ボーマンダ
ミロカロス
プテラ
ガオガエン
バイバニラ
ヌメルゴン
ギャラドス
カビゴン
ジジーロン
エルフーン
ドレディア
【B+】
ジバコイル
ジャラランガ
シルヴァディ
タイプ・ヌル
デンジュモク
ワルビアル
ゲンガー
ニョロトノ
ムーランド
オドリドリ
ハリテヤマ
【B】
ファイアロー
バンバドロ
ミミッキュ
ラプラス
マニューラ
オーロット
カイリュー
マッシブーン
【C】
その他
~【S+】ランク~
「安定性」、その一言に尽きる性能。
カプ・テテフのサイコフィールド下エスパーZを8割前後に抑えるのは流石の耐久値。
タイプ相性外でガブリアスとカプ・コケコに強いと言えるポケモンでもあり、殴り合っているだけで強い汎用性は環境トップの名にふさわしいものです。
特に後発で出てくるポリゴン2は既にZ技を消費していたり有利なポケモンが場に居なかったり、とにかく処理しにくいので個人的には誰かに挑発を仕込みたいかな、と考えています。
最近はポリゴン2に対するマークが厳しいので出さないことも多いとは思いますが、抜いたら抜いたで欲しくなるタイプのポケモンだと思っています。
⚫テッカグヤ
身代わりを置いて宿り木の種で相手を詰めていく様はさながらギルガルドとナットレイから産まれた子供のよう。
ワイドガードや毒々も技候補に挙がりますが単体性能だけを意識するなら基本的な宿り木身代わり構成が1番良いと思います。
強いて言うならば火焔放射は現レヒレカミツルギ環境に於いてかなり刺さる技であり、「テッカグヤミラーを意識しての火焔放射」は失敗でしたが「対カミツルギとしての火焔放射」なら相当活躍する技なので環境を見て入れていくのも一考の余地アリかと。
ポリゴン2やトリトドンと泥沼合戦をしばしば引き起こすので技のPPは全て最大値まで増やしておきましょう。
一部の層では特化鉢巻テッカグヤなんて代物が使用されているようで、環境に新しい風を巻き起こしてくれるかもしれませんね。
⚫カプ・テテフ
前ポケモンランクではまだフィールドの維持しやすさ、Z技の火力、使い勝手その他がわからない状態だったので「等倍こそ取りやすいが特定の役割を与えにくい」と【A】ランクの評価をしましたが、成る程エスパーZで吹き飛ばしてしまえば素早さ種族値95未満には実質“役割”が持てています。
しかし、火力こそ癖になるものを誇っていますが素早さ種族値は並+@、耐久値(特に防御方面)に至っては紙に近いレベルであり、「相手1体を飛ばしたはいいものの裏から出たポケモンに縛られこちらが動きにくくなる」という、言わば「負けの原因」になりやすいポケモンでもあります。
(臆病CSみたいな振り方をしてしまうとカミツルギの威嚇込みスマートホーンですらギリギリ飛びます……。威力70、とは?)
特にトリックルーム相手だとせめて等倍1発でも耐えてくれれば捌けたのに……と思うタイミングは多々あり、上記2体が誇る「安定性」という意味ではややスペック面では劣るものがあるでしょう。
拘りスカーフは上から殴りやすくなることで上記の点を(ある程度は)回避可能ですが、肝心の火力が中途半端になってしまったりトリックルームに対して更に薄くなってしまったりと問題点も抱えています。
かといってSを落としすぎると相手側のウインディなどにいいようにされてしまうので今のカプ・テテフは最速を確保しつつ防御意識、残り特攻みたいな振り方が丸いかもしれませんね。
~【S】ランク~
⚫カプ・レヒレ
まず、何故眼鏡濁流が強いのか。
そして、何故命中不安技を連打しても勝てるのか。
その答えは「VGC2017はどのようなゲームなのか?」という問いに隠されています。
例えばVGC2015で(雨下眼鏡キングドラのようなポケモン以外で)ただ濁流をするのが強いというポケモンが居たでしょうか?
僕が知る限りでは居ないと思います。
それは、VGC2015が「サイクルを回しつつ、各々に与えた役割を遂行させるゲーム」だからです。
故に役割を遂行させるためにはそのポケモンが生きている必要がある=「数は正義」であり、例えばガルーラミラーのどこかでこちらの霊獣ランドロスが落ちて3-4になってしまうと自身のサイクルが瓦解していき相手側の霊獣ランドロスにどんどん役割を遂行されてしまう、といった負け方をしてしまうわけですね。
(これは環境トップのガルーラが猫騙しを覚えるので特にサイクルを回しやすく、数さえいれば各々の役割を遂行させやすかったという理由も大きいでしょう)
ここでは単なる等倍技は意味を成さず、スカーフによる抜群技や威嚇といった「役割を遂行させやすい性質」が好まれ、実際強かったのです。
そして、それとは正反対の性質を有するのがVGC2016。
VGC2016は「盤面を整えて伝説を押し付け、相手を裏のポケモンごと壊滅させるゲーム」です。
このゲームは数が正義とはならず、自身の伝説を押し付ける為ならば平気で味方を捨て駒として扱い、逆に相手側が扱う伝説の押し付けを拒否できる性質を持ったポケモン(ゼルネアスに対する電磁波ボルトロスなど)、或いは自身が扱う伝説の押し付けを補佐するポケモン(ドーブルやドータクンなど)が好んで使われました。
この手のゲームは特に相手の裏を考える必要があり、安易に相手を落としてしまうと今ある盤面で対処不可能なポケモンが出てきてしまい結局裏ごと倒されてしまうという流れがよく発生します。
「とりあえず目の前にいるポケモンを倒したら相手側の死に出しゼルネアスに対処できない盤面であり、そのまま積まれて轢き殺された」なんて経験、1回くらいあるのではないでしょうか?
そして、肝心のVGC2017は簡単に言うと「4体を総動員させて雑な確定2発、抜群技とZ技の確定1発を押し付け合うゲーム」です。
(素早さを弄る技が少ないので本当に殴り合いであり、そういう意味でも『耐久値による行動保証』というのはVGC2015、2016以上に意識すべき事柄と言えるでしょう)
ここでようやくカプ・レヒレの濁流の話に戻ります。
そもそも確定2発の投げ合いの中でカプ・レヒレは確定3発にする耐久があるのでその時点で一手有利(濁流を1回外してようやくイーブン)です。
加えて濁流とは相手2体に当たる技であり、ここがポイントで、このゲームは基本的に「等倍確2の『単体技』を投げ合うゲーム」なのです。
つまり、等倍確2の火力が相手1体に当たればダメージレースでは(理論上)特に問題は発生せず、濁流両外しの確率は2.25%なので97.75%で仕事をする技と言えてしまいます。
(まあ外す方向などがあるので『問題が発生しない』は少し盛っている感じがありますが、イメージとして捉えていただけたらと思います。
何だかんだ言いつつ72.25%で両命中する技ですからね)
ここまでの性質に加えてカプ・レヒレは相手のカプ・コケコ、カプ・テテフのフィールドを打ち消すことができるので更にダメージレースで優位な状況に持ち込むことが可能であり、ここまでの条件が揃えばもう強いポケモンであることは明白でしょう。
ということで【S】ランク最上位のカプ・レヒレでしたが、性質上守れないという点が1つ、そして「本当に、現環境に存在するこのタイプのカプ・レヒレが“最適解”なのか?」という点の2つでまだ思考の余地があってもいいと感じたので【S+】ランクは見送りました。
とはいえ限りなく【S+】に近い【S】であり、現環境の型も十二分に強力な型だとも思っています。
⚫カミツルギ
最初は見向きもされなかった紙剣ですが優秀なH-Bライン、素早さ、カプ・レヒレとの親和性辺りが見直されて神剣に。
実際素早さ種族値109はカプ・コケコとスカーフ持ちを除けばほぼ最速(アローラキュウコンとは同速)であり、確定2発の投げ合いなら先に動いた方が有利に決まっているのでそりゃ強いといった感じですね。
草Zでガブリアスが飛ぶのも魅力というか、そもそもガブリアスより速くて等倍技でガブリアスを飛ばせるポケモンってめちゃくちゃ貴重なのでそれだけで一定数の需要があると思います。
対テッカグヤはテッカグヤ側に火焔放射があればテッカグヤ側の勝ち、無ければカミツルギ側の勝ちなので何とも言えないところですね。
「威嚇込み地震なら余裕で耐えるっしょ~」とウインディを動かしたら地面Zでオワる流れ、まだやらかします。
大体が地面Z、拘りスカーフですが突撃チョッキ持ちも一定数存在しているイメージですね。
何をさせても強いのは証明済みなので【S】ランクに相応しい性能ですが、環境のポリゴン2、テッカグヤ、カミツルギ辺りに不利なので【S+】ランク入りは諸説あるかと。
⚫カプ・コケコ
使っているとやはり種族値配分の歪みからか微妙な数値の低さを感じますが、まともな電気打点持ちが彼しかいないので「仕方無く」このランクに。
ガブリアス引き読みマジカルシャイン選択は普通なのでスカーフor対面以外ではガブリアスでカプ・コケコに勝てると思わない方が良いでしょう。
強特性を持ってなお「ボルトロスやサンダーが居ればそっち使いたいなぁ」となる辺り、「浮いている電気」というのがどれだけ貴重で強いのかがわかりますね。
進化の輝石で数値が跳ね上がるポリゴン2を除けばガブリアスと共に一般枠最強クラスと言っても過言ではないでしょう。
鬼火バクア型は外しが怖いので僕なら単純に物理型を使いたいと思います。
カプ・テテフとの対面は双方苦しい顔をすることで有名。
⚫アローラベトベトン
とにかく処理しにくいことで有名なポケモン。
特性を使っているとはいえ、あの耐久値を持ちながらオボンの実のノリで体力を半分回復し始めるのは完全にズル。
このポケモンも「確定2発環境に於ける確定3発ポケモン」であり、毒づきをバラ撒いているだけで勝手にダメージレースでの有利を得ていく謎。
加えてめちゃくちゃ珍しいはたき落とす持ちであり、ポリゴン2に対して毒々やタイプ相性外で有利を取ることが可能な超有能ポケモンでもあります。
唐突に小さくなるヤツはイラっとするのでテッカグヤのベビーボンバーに屠られてください。
⚫カプ・ブルル
カプ系で1番下に置きましたが、他が強いだけでこのポケモンも一線級のスペックを誇っています。
グラスフィールド下のウッドハンマーとウッドホーンが完全にズル。
特に盤面有利の時に撃つウッドホーンがズルであり、せっかく削った体力もグラスフィールドと合わせてほぼ全て回復されてしまいます。
カプ・レヒレが流行っている今、使うならこのタイミングかもしれません。
~【A+】ランク~
⚫アローラガラガラ
スタンPTのアローラガラガラは弱いと思いますがトリックルームを絡めてあげるとあら不思議、甘えた相手は全て吹き飛ばせる殺戮マシーンに。
スタンPTでは弱いと言いましたがテッカグヤと並ぶのは何だかんだ面倒なので、やはりガラガラを使うならポリ2テッカグヤのようなスイッチトリパが1番でしょう。
⚫ヤレユータン
采配が強いのはまあ分かっていたことなのでいいとして、やはりこのタイプのトリックルーマーにありがちな「オボンorメンタルハーブ」の択がどうにも辛い印象です。
特にZ枠をカプ・テテフに割いている人間は「高火力集中でオボン貫通」という択も取れないのでどうしたものかといった感じで、1番分かりやすいのは吠えるorドラゴンテールの採用なのですが枠が無かったりそもそも相手がラスト2匹だと意味が無かったりで片手落ちです。
1番良いのはこちらもトリックルーマーを採用してトリックルームを返すことかもしれませんね。
合計種族値515にも関わらず素早さ種族値が25という種族値配分効率の良さ。
カプ・コケコ君見習って。
雑に強そうなポケモンを集めると雨、晴れPTに轢き殺されるのでこういう天候ポケモンは1匹くらいPTに組み込みたいところです。
ワイドガードを覚えるのが地味に厄介で、これにより地面Z以外のガブリアスじゃ安定して処理可能とは言い切れません。
単体高火力技が命中不安のストーンエッジになりがちであり、その弱点をカバーする岩Zはかなり強いイメージですね。
⚫コータス
甘えた相手を殺す性能は最高レベル。
何なら2-4からでも余裕で捲れる圧を有しています。
しかし、炎単タイプかつ低種族値故に対策がしっかりしている相手だとかなり動きにくい印象があり、そういう意味でギガイアスより1つ下に位置付けました。
とはいえ無天候スタン相手なら多少不利でも強引に押していけるくらいのスペックはあります。
⚫オニシズクモ
発売直後のランク付けでは全く意識していなかったのですが、特性が異常に強いおかげでトリックルーム下のエースとして、或いは蓄えるによる詰みポケモンとして使われるようになりました。
水泡の水強化は言わずもがな、炎タイプ半減の効果もウインディのフレアドライブなどで処理できないことに繋がっており相手にするとかなり厄介です。
加えてワイドガードも覚えるので外見よりかは痒い所に手が届くポケモンですね。
最近はキュウコンレヒレカミツルギのようなPTが増えており簡単に水の一貫を押し付けて勝つのは難しくなりましたがそれでも後発から削れた相手を一掃するくらいの圧力は健在。
雨ターン凌ぎで守るを誘う以上ゴルダックのアンコールは強技です。
当たるならタラプ毒々再生のような個体が多い印象ですがどうにもカミツルギが辛い印象。
カプ・レヒレの濁流は呼び水でも隣に当たってしまうのがまたなんとも……。
とは言いましたが逆にそれらが入ってないPTに対する詰ませ性能はかなり高いので他5体で対策できている場合なら十分に考えられますね。
⚫ウツロイド
鋼には弱くとも鋼以外に強ければ無問題。
ウツロイドと後述するフェローチェは本当に「気付いたら重くなっている」というパターンが殆どであり、特に毒+岩の打点はカプ系統とウインディにガン刺さりするのでそりゃ重くない筈がないよなぁという。
カミツルギ入りならまだマシかもしれませんね。
⚫フェローチェ
このポケモンも変な刺さり方をするので相手にしていて嫌なポケモンです。
最近は格闘Zなんてのもいるようで、前にも増して尖りポケモンになってしまいました。
個人的な話としてこういう尖りポケモンはあまり好きじゃないので詳しく考察できてないのですが、もしかしたらもっと面白い使い方ができるポケモンなのかもしれません。
鋼枠がテッカグヤからメタグロスに移る前にカミツルギに流れてしまった悲しみ。
それでも数値自体はめちゃくちゃ高い先制技持ちなのでいつか必ずメタグロスの時代が訪れると思っています。
⚫アローラキュウコン
もう少し特攻が高ければ【S】ランク入りだった気がします。
それでも霰によるスリップダメージ、ガブリアスへの選出抑制性能、オーロラベールの強さを考えるともう少し上に位置付けても良かったかもしれません。
でも本当に火力無いんですよねこのポケモン……。
スカーフ破壊光線とテクスチャーZの択が強力ですが、段々とバレてきた節があるのでZを使う場合はもう一工夫欲しいところです。
この辺りのポケモンは前回のポケモンランクから特に変わっていないので書くこともあまりないですね。
⚫アローラライチュウ
少し前なら「カプ・コケコ+アローラライチュウ+カプ・テテフで組ませてアローラライチュウにエスパーZを持たせる」というPTがありましたが今でもかなり通用しそうですね。
特に素早さ種族値110というのが素晴らしく、カミツルギの上から(半減とはいえ)ゴリ押していけるのはかなり高評価ポイント。
数値には少しばかり不安が残りますが、環境には刺さっているのでこの先また増えてもおかしくないポケモンです。
と、ポケモンランク+若干の環境考察でした。
最近色々なブログを見て回っているのですが、テテフポリ2テッカグヤみたいなPTが「古代のスタン」とか言われているらしく環境の変化スピードに驚いています。
この記事が公開される頃には既にカプ・レヒレが時代遅れになっていそうで若干怖いのですが、そこはまあご愛嬌ということでひとつよろしくお願いします。
と、気付いたら結構な分量になってしまったので今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。
久々の更新でしたがここまで読んでいただきありがとうございました!