猫はやっぱりノルウェージャン!

威張る幼女の戯れ言日記

記事まとめ

どうも、北の大地にてポケカを嗜む8歳の幼女、もみじねこです。

 

2015年にこのブログを作ってから今に至るまでに様々な記事を投稿してきました。

 

何かの縁でこのブログに辿り着いた方にはせっかくなので今までに投稿した記事も一緒に読んでもらえたらと思いつつ、とはいえ昔(ブログ開設当初)はまだ大学生、若気の至りか読むに堪えない記事が多々あるので当記事にて今までに投稿した中でもマトモ寄りな記事を集めました。

 

当然ながらどの記事でも話に登場するカードは執筆当時のレギュレーションのものになっていますが、内容自体はどのレギュレーションでも当てはまるようなことを説明しているつもりですので古い記事でもぜひ読んでいってもらえたらと思います。

 

ポケカコラム

・【テンプレ+1】の思考

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2023/09/06/124654

・アクセルとブレーキ

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2021/03/17/224440

・「Nで固まるデッキはデッキじゃない」

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2021/01/19/033520

 

★大型大会等(ポケカ)

・CL愛知2022(エクストラ)(メロゲノ)

https://note.com/maplecat_87/n/n0759900892d7

・シティリーグ札幌(2021/10)(ミュウVMAX)

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2021/10/12/122256

・シティリーグ金沢(2020/11)(3神ザシアン)

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2020/11/03/150539

・シティリーグ札幌(2020/01)(超ミュウミュウ)

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2020/01/30/231529

・WCS2019(ピカゼク)

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2019/09/09/131346

・JCS2019(ルガゾロ)

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2019/06/13/123422

・CL京都2019(ルガゾロ)

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2019/04/17/213411

・CL千葉2019(ルガゾロ)

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2019/02/20/124246

・CL新潟2019(ルガゾロ)

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2018/12/22/060743

・CL東京2019(ルガゾロ)

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2018/09/17/235925

 

★その他

ポケカ Advent Calendar 17日目(2022)

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2022/12/17/211140

ポケセンの大会で2連レギュ違反した話

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2017/12/31/023343

異世界スマホから学ぶ、クソアニメが人を惹きつける理由

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2017/10/08/042452

【ポケカAdvent Calendar2023 11日目】シルバーメダルの、その先へ

どうも、季節の変わり目ですぐ体調を崩しがちな8歳の幼女、もみじねこです。

 

普段は札幌でポケカを嗜みつつ、当ブログにてポケカに関する記事を書いたり書かなかったりするしがない一般幼女です。

 

https://note.com/ichyo_poke/n/n55e1a01944a1?sub_rt=share_pb

 

去年に引き続き、今年もいちょーさんのポケカアドベントカレンダーに参加させていただきました。

 

12月1日から12月25日まで毎日持ち回りでポケカに関する記事を書いていくというイベントで、戦術的な記事からポケカにおける個人の歴史のような記事まで様々なものを読むことができます。

 

昨日の記事はささみさんの「ポケモンカードゲームは「運」のカードゲームか?」でした。

 

「運が絡むゲーム」であるのは確かだとしても、「運ゲー」の一言で片付けられるほど単純なわけでもつまらないわけでもない。

 

確率を最大化させるためにプレイヤー側が関与できる部分はいくらでもあるわけで、「人事を尽くして天命を待つ」の心が大切というわけですね。

 

さて、本日自分が担当する記事ですが、軽いイベントカバレージのようなものを書いてみようと思います。

 

現在自分は札幌におけるポケカ自主大会「POWERS」および招待制大会「Hi-POWERS」の主催の一員であり、今回はその中でも招待制大会の初回である「Hi-POWERS#1」にフォーカスしていきます。

https://note.com/powersptcg/

(通常回はこちらで記事を書いていますので、良ければ併せて読んでもらえたらと思います)

 

元々原案はあったものの筆者都合によりお蔵入りになりかけていたのですが、良いタイミングでいちょーさんからアドカレのお誘いを頂き何とか世に出る運びとなりました。

 

環境考察のような今までのブログの内容とは違う、ある種慣れない形式に挑戦する記事となりましたが、熱量だけは高めで執筆したので少しでも楽しんでもらえたら幸いです(予防線)。

 

 

 

 

・シルバーメダルの、その先へ

 

「おはようございます」

 

時は少し遡り、令和5年4月8日。

 

まだ受付開始には少し早い、会場設営が完了してすぐの9時15分頃、寝不足故か僅かに気だるげな表情を携えてその男は会場に足を踏み入れた。

 

名は“ねりあめ”。後に「Hi-POWERS#1最強」の称号を手に入れる男である。

 

「お疲れ様です!今日はめちゃくちゃ楽しみでした。招待枠なんで試合も沢山できますし」

 

挨拶がてら運営が声を掛けると先程の気だるそうな顔から一転、そう言って顔を綻ばせる。

 

彼は「POWERSシーズン1」累計35ptの全体5位で本大会「Hi-POWERS#1」の優先招待選手となっており、予選リーグの結果に関わらず既に決勝トーナメントの進出までは確定していた。

(なお、予選リーグで8名中上位2名に入ると続く決勝トーナメントでの初戦が免除される)

 

予選リーグでBO1が7戦と決勝トーナメントのBO3まで確定しているということは、どれだけ少なくとも(仮にトナメ初戦敗退でも)9戦はやることになるわけで、人によっては「疲れ」の文字が浮かんできそうなところではあるが、そこを「楽しみ」と捉えられるのはひとえに彼のモチベーションの高さ故だろう。

 

さて、この先の内容のためにもここで少し、今回の主人公であるねりあめという人間に対しての深掘りを交えておこうと思う。

 

「勝ちたい。とにかく勝ちたいんですよね」

 

以前筆者が「ポケモンカードに対しての向き合い方」について訊いたときにはこう答えており、彼が根本から競技志向の(勝ちたがりの)プレイヤーである点は自他共に認めるところであった。

 

そして、その欲望と共に高いモチベーションを維持し続け、情報収集し続け、練習し続ける体力が彼にはあった。

 

「自分は1から構築を組むのが苦手なので、日々データ収集だけは欠かさないようにしています。今は動画や文章で様々なデッキやそれに関するプレイングが出回っている時代なので、なるべく多くの情報に触れ、『使ってみたい』と思うものがあれば積極的に取り入れるように心掛けています」

 

彼が他の人よりポケカに対し意識している点としてこの「情報収集」を挙げたことがあったが、ここまでストイックかつ継続的に取り組めているプレイヤーは当然ながら非常に稀である。

 

「既存のデッキが相手であれば、対戦中に55枚くらいは絞り込めるのでプレイングの分岐も考えやすいですね」

 

その豊富なデータ量から自分は初見殺しをされず、逆に相手に対してはスタンダードに仕掛けることも初見殺しを仕掛けることも可能。

 

そして、取り入れたデータをただ蓄えるだけでなく、常に自身の血肉として昇華し、アップデートし続けられるだけの練習量。

 

暇さえあれば右手vs左手を始める、そんな彼が万全の準備で臨み、「楽しみ」とすら言ってのける仕上がりに、我々運営陣も少しばかり(運営とは中立でなければならないのは承知の上だが)期待を寄せる。

 

思えば「POWERS」における今シーズンの彼は(元々強いプレイヤーではあったが)一つ強さのランクを上げたように感じる。

 

少し昔の話ではあるが、彼は元来非ルールの軸を好むプレイヤーであった。

 

筆者が初めて彼をプレイヤーとして認識したときには【ジラーチサンダー】を使用しており、以降も【マッドパーティ】や【連撃テンタクル】、【ロストバレット】など時代を代表する非ルールを乗りこなしてきた。

 

勿論それら非ルールに対する造詣の深さが一級品であることはこれまでの彼に対する紹介から言わずもがなの部分ではあるが、加えて彼の手持ちに「ルール持ち」のポケモンが参入しつつあるのは記憶に新しい。

 

「POWERSシーズン1」も初回の準優勝は【ヒスイゾロアークVSTAR】であり、以降も【ギラティナVSTAR】、【ヒスイヌメルゴンVSTAR】等で各POWERSでの入賞を重ねている。

 

これはつまり、彼の脳内に「捲り」の選択肢がインプットされたことに他ならない。

 

元々【非ルール軸】のデッキとはブレーキの壊れたスポーツカーのようなもので、「バトル場のポケモンが相手の攻撃を耐えること」による時間稼ぎを狙えない以上は「相手よりも先に走り切る」しか勝ち筋はない。

 

非ルール故にサイドを取られる枚数が少なく、自身の喉元に刃が突き付けられるまでに幾分かの猶予があるのは確かだが、それはあくまでも「どこまでのらりくらりできるか」という話でしかなく、結局アクセルを踏み始めてからはフルスロットルの勝負なのである。

 (だからこそプレイングのゴールがわかりやすいという利点もあるにはあるのだが)

 

しかし、ルール持ちはそこに留まらない。

 

「高HPを壁にする」という概念が存在するので、手札干渉等と合わせて(〈ボスの指令〉などを引かれなければ)意図的にゲームを1つロングにさせることが可能となる。

 

当然この肌感覚は一朝一夕に身に付くものとは言えないが、驚くことに今までほぼ非ルールしか使用していなかったにも関わらず彼はその練習量からここの感覚についても難なく適応していった。

 

むしろ「盤面を絞る、展開する」、「サイド2のポケモンを出して良いのかダメなのか、いつ何体出すのか」辺りのルール持ち特有の肌感覚については筆者も唸らせられる部分があるほどだった。

 

プレイングにおける自分の武器というのはいくつあっても困ることはないが、まだルール持ちをメインに据えて半年も経たないままここまでオールマイティーに対応できる素質があるのならば、それは自主大会で常に安定した結果を残せるのも頷ける。

 

さて、そんな具合で彼の紹介をしている間に「Hi-POWERS#1」の予選リーグが終了した。

 

彼は当時流行りの【ロストカクレオン】を握り4-3だったようだが、「Hi-POWERS#1」では予選リーグから決勝トーナメントにかけてのデッキ変更が認められているため、決勝トーナメント進出が確約されている彼にとっての本命デッキは“ここから”というわけである。

 

「Hi-POWERS#1」決勝トーナメント。

 

彼が使用したデッキは、【ルギアジュラルドン】だった。

 

このときの時代の長は【ルギアVSTAR(一撃)】や【ロストバレット】。

 

ルール持ちに適応し、捲りの選択肢を手に、豊富なデータ量からの環境読みを携え繰り出される一手は決勝トーナメントそのときまで温存していた正に秘蔵の「初見殺し」。

 

「いやぁ、ジュラルドン、いけると思うんですよね」

 

今までの傾向からおよそ【ロスト軸】の何かしらだろうと目星を付けていた運営陣の驚く顔に対し、彼は苦笑混じりに頭を搔く。

 

そして、その環境読みを祝福するかのように、決勝トーナメント初戦、相対するパッパ選手が握るデッキは【ルギアVSTAR(一撃)】だった。

 

1本目、事故にてバトル場以外にポケモンが並ばないパッパ選手に対して2ターン目のストームダイブで勝利するねりあめ選手。

 

悲しいかなパッパ選手にとってはこの事故に関わらず、既に勝敗はほぼ決していた。

 

2ゲーム目、ねりあめ選手から繰り出されたのは〈ジュラルドンVMAX〉。

 

当然、打点はない。

 

そして、〈ジュラルドンVMAX〉の裏に無闇にベンチポケモンを並べるようなプレイヤーでもない。

 

〈ジュラルドンVMAX〉単騎のねりあめ選手に対してパッパ選手は為す術なく殴られ続けることしかできないまま、ゲームカウント2-0でねりあめ選手がトーナメント初戦を勝利で飾った。

 

幸いなことにメタ読みがクリティカルヒットし、トーナメント初戦をイージーに終えたねりあめ選手に最初の山場が訪れる。

 

トーナメント2回戦目の対戦相手は言わずと知れた最強格、北の古豪楓選手である。

 

前シーズンのCL宮城ではスイスドロー予選を13-1、DAY2を1位抜けと“凄まじい”を遥かに通り越した結果を残しているが、そのとき使用していた構築は【ルギアVSTAR(一撃)】だった。

 

CL宮城から一週間しか経っていない「HI-POWERS#1」、もしかしたらそのまま同じ構築を持ち込んでいるかもしれない。

 

であれば先程同様〈ジュラルドンVMAX〉を立てるだけでイージーを狙える……と、思ったのも束の間、現実はそう簡単に楽をさせてはくれない。

 

楓選手のスタートポケモンは〈ミライドンex〉だった。

 

〈ジュラルドンVMAX〉の特殊エネルギー耐性をすり抜け、〈ルギアVSTAR〉は弱点で倒されてしまう。

 

一見かなり不利に見えるマッチアップ。

 

しかし、勝機も十分にある。

 

一度成立した〈ジュラルドンVMAX〉を簡単に処理する方法が【ミライドンex】側にはなく、キョダイフンサイの打点も220とexポケモンやVポケモンを倒すのには非常に都合が良い。

 

「如何にして〈ジュラルドンVMAX〉で効率良くサイドを取るか」

「如何にして〈ジュラルドンVMAX〉を成立させないか」

 

の対戦が始まった。

 

ねりあめ選手、魂を賭けたジャンケンに勝利し、最初の〈ミライドンex〉を先攻2ターン目のストームダイブで処理しながら次のターンにつつがなく〈ジュラルドンVMAX〉まで成立。

 

やはり、如何に【ミライドンex】が足の速いデッキといえど、後攻2ターン目から裏の〈ジュラルドンV〉を〈ボスの指令〉からフォトンブラスターで倒していくのは流石に難易度が高い。

 

〈ジュラルドンVMAX〉が安着したことが幸いし、1ゲーム目はそのままねりあめ選手が2-2-2のサイド進行で殴り勝つことに成功。

 

しかし、逆もまた然り。

 

当然2ゲーム目で先攻を選んだ楓選手が今度は〈ボスの指令〉も絡めて〈ジュラルドンVMAX〉の成立を許さぬまま2-2-2のサイド進行で返していき、ゲームカウント1-1にて最終戦へ。

 

ねりあめ選手の先攻初ターン、〈ルギアV〉も置けてまずまずの立ち上がりに対し楓選手の顔色は芳しくない。

 

手札を見てみると、大量の〈基本雷エネルギー〉と〈エレキジェネレーター〉が2枚、そして嘲笑うかのような〈博士の研究〉が1枚。

 

スタートポケモンが〈ミライドンex〉ではなかったことも災いし、せっかく2枚も引き込んだ〈エレキジェネレーター〉の当て先もおらず、かといってこれら大量のエネリソースを切り落としながら〈博士の研究〉で走っても後半に息切れするのは目に見えている。

 

「このままパスし、次のターンのトップドローで後続、ひいては〈エレキジェネレーター〉の当て先になるポケモンを引く確率に賭けた方が良いか……?」

 

寸刻の逡巡をめぐらせたのち、「流石に先2アッセンブルが成立するだけで種切れ負けする選択肢は無しか」と苦虫を噛み潰したような顔をしながら〈博士の研究〉をプレイし、手札の全てを切り落として先に進む楓選手。

 

流石に後続は引く。が、その引いた7枚の中に〈基本雷エネルギー〉や〈エレキジェネレーター〉の姿が1枚も見当たらないのは、成る程「カードゲーム」らしい残酷さが見え隠れしている。

 

殴り出しが遅れてしまった楓選手、追い付けぬまま、ねりあめ選手が逃げ切る形でタイムアップ。

 

残サイド2-5によりねりあめ選手が決勝に駒を進める。

 

そうして遂に迎えた決勝の舞台。

 

最後の壁として立ちはだかるのはSK選手。

 

「POWERS#5」、「POWERS#6」での2連覇からポイントレース全体1位で「Hi-POWERS#1」の優先招待権を得た選手である。

 

彼が握る構築は【アルセジュラルドン】。

 

決勝は奇しくも〈ジュラルドンVMAX〉のミラーとなった。

 

このマッチアップはお互いのエンジンである〈アルセウスVSTAR〉や〈ルギアVSTAR〉がそれぞれの〈ジュラルドンVMAX〉に対して打点を持ちにくいため、如何にして〈ジュラルドンVMAX〉で〈ジュラルドンVMAX〉を倒せるかが鍵である。

 

序盤、SK選手の〈アルセウスVSTAR〉がねりあめ選手のバトル場にいる〈ルギアV〉に対してトリニティノヴァを撃つ展開。

 

SK選手としては無難な、というよりかは手札的にもそうならざるを得ないような一手ではあったが、その隙を逃すような彼ではない。

 

すかさず〈ボスの指令〉+〈ポケモン入れ替え〉からキョダイフンサイで相手の〈ジュラルドンVMAX〉を傷物にすることに成功。

 

このような大型ポケモン同士の殴り合いで一手先殴りすることは、ゲームそのものが決まりかねないほどの有利をもたらす。

 

返しに相手からキョダイフンサイを受けてこちらの〈ジュラルドンVMAX〉が傷物となるも、そのまま同じくキョダイフンサイで相手の〈ジュラルドンVMAX〉を倒すことに成功したねりあめ選手。

 

最初にトリニティノヴァを撃ってきた〈アルセウスVSTAR〉には〈ダブルターボエネルギー〉が付いているため、こちらの〈ジュラルドンVMAX〉が倒されることはない。

 

かといってわざわざ〈ダブルターボエネルギー〉を逃げエネとして消費しながら基本エネルギーを貼り直して殴るほどの時間的猶予もない。

 

〈ジュラルドンVMAX〉が生存しているという優位を手に、そのままリードを広げながら、ねりあめ選手は1ゲーム目を手にした。

 

2ゲーム目を前にして少しだけ話が逸れるが、「敗者のゲーム」、「勝者のゲーム」という考え方をカードゲームに落とし込んだ記事が以前SNSで流れてきたことを、この文章を書きながらふと思い出した。

 

曰く、「敗者のゲーム」というのは「敗者がゲームを終わらせる」、つまり「ミスによって終わるゲーム」で、初心者同士が相対するゲームに多い。

 

逆に、「勝者のゲーム」というのは「勝者がゲームを終わらせる」、つまり「優れたプレイにより終わるゲーム」で、熟練者同士が相対するゲームに多い。

 

「敗者のゲーム」で必要なことは「ミスをしないこと」で、こちらが負けなければ相手が勝手に負けてくれる。

 

しかし、「勝者のゲーム」では、相手のミスにより敗北は期待できない。つまり、何かしらで相手を上回る必要性がある。

 

ここで、当該記事は「選択肢が少ないプレイング面で相手を上回るのは難しいが、デッキ構築の面ならば無数に近い選択肢があるので相手を上回る、つまり勝者のゲームを行える可能性が高い」という主旨を述べている。

 

そういう意味で、今回のねりあめ選手およびSK選手の〈ジュラルドンVMAX〉というアプローチは「勝者のデッキ構築」だったろうと言える。

 

そして、決勝戦の2ゲーム目、ねりあめ選手のプレイングは「勝者のプレイング」でもあった。

 

後攻2ターン目、ねりあめ選手のトラッシュには〈アーケオス〉が1枚、手札にも〈アーケオス〉、そして〈セレナ〉も一緒に抱えていた。

 

ついでに〈ルギアVSTAR〉や〈ジュラルドンVMAX〉も抱えていたのだから後攻2ターン目としては文句無しのハンドである。

 

〈セレナ〉で2枚目の〈アーケオス〉をトラッシュしつつ手札を増やし、アッセンブルスターで〈アーケオス〉2体からそのまま前を殴り始める、いかにも綺麗なストーリー。

 

しかし、その〈セレナ〉が2枚目の〈アーケオス〉のトラッシュとして使われることはなかった。

 

ターンを貰ったねりあめ選手はノータイムで〈セレナ〉の裏呼び効果を使用。

 

呼び出したのはベンチに1体だけ立っていた進化前の〈ジュラルドンV〉。

 

手貼り+1アッセンブルで〈ジュラルドンVMAX〉を起動させながら、これを即座に倒していく。

 

「ベンチに〈ジュラルドンV〉が1体だけならそこ取っちゃえば1アッセンブルでも多分間に合うなって相手のターン中に思ってました。あえて1アッセンブルでゲームを進める練習とかを一人回しでやってた成果が出て良かったです」

 

後にこう語る彼は、その日勝つべくして勝つプレイヤーそのものだった。

 

SK選手もゲームに勝つためには〈ジュラルドンVMAX〉を成立させねばならない。

 

再度〈アルセウスVSTAR〉を前に、ドローサポートからボールまで繋げて〈ジュラルドンV〉を着地させる。

 

しかし、無情か、はたまた優れたプレイに対する報酬か、前のターンにねりあめ選手が〈ジュラルドンV〉を倒して得たサイドの中にあったのは〈ボスの指令〉。

 

SK選手の頼みの綱である2体目の〈ジュラルドンV〉も〈ボスの指令〉からキョダイフンサイで突破されてしまい、サイド残2-6から捲る手段もなく、そのままねりあめ選手が「Hi-POWERS#1」の優勝を手にした。

 

「やっと勝てました。公式、公認、自主大会全部含めて、ジムバトル以外で優勝するの初めてなんですよ僕」

 

驚くことに、「POWERS」以外の北海道で開かれる自主大会も含めて非常に決勝トーナメント進出率が高い彼であったが、ずっとシルバーメダルコレクターだったという。

 

そんな彼がようやく手にした「優勝」という称号、喜びもひとしおである。

 

「自主大会での優勝は達成できたので、次はシティリーグやCLで勝ちたいですね」

 

これもまた驚きだが、自主大会の安定感に対して公式大会での成績は反比例するかの如く低い。

 

シティリーグでも予選落ちが続き、CLでも4-3や3-3の成績が並ぶ。

 

「なんか公式大会になった途端に勝負弱いんですよね。メンタルには自信があるつもりなんですが」

 

確かに公式大会で勝負弱いのは筆者の知るところでもあり、環境にほぼ存在しないような謎のメタデッキが自分の構築にクリティカルヒットしてみたり、〈ツツジ〉を撃ったら相手の手札の2枚中2枚が有効札だったり、「確かにそんな日もあるけど別に今日がその日である必要はないじゃん」といった憂き目に遭いがちな姿をよく見る。

 

しかし、彼の真価はそれでモチベーションが落ちないところにある。

 

どんなにキツい負け方をしても、結局次の日には一人回しをしているし、ポケカの情報収集も怠らない。

 

そして、その姿を見ている限り「間違いなくいつか公式大会でも勝てるな」と、筆者はそう思うのである。

 

「必ず当たる雨乞い」という話がある。

 

単純な話で、「雨が降るまで雨乞いを続ける」という話だ。

 

彼もそれと同じで、いつか勝つまでポケモンカードをやり続ける。

 

なので、きっと、いつか勝つのだろう。

 

筆者も競技シーンに足を踏み入れてそれなりの年月が経過するわけだが、やはり「努力する者が結果を得られるような環境」であってほしいと思う。

 

いつか勝つ、その「いつか」が可能な限り早期に訪れることを願い、今後の彼の活躍に注目していきたい。

 

以上をもって、本記事を締めようと思う。

 

定期刊行の「POWERS振り返り記事」とは異なり、こちらは不定期刊行、次があるかも定かではないが、もし次があればそのときもまた読んでもらえたら幸いである。

 

 

 

 

・終わりに

 

以上、「シルバーメダルの、その先へ」終了となります。

 

明日の記事はソラさんの「Re:やる気ゼロから始めるポケカnote執筆集中法〜集中したいけど出来ないことってあるよなぁ〜」です。

 

自分も毎回記事を書くときのやる気のブレがとんでもなく激しいので、どんな内容になっているのか相当楽しみです(是非参考にさせていただきたい)。

 

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

【テンプレ+1】の思考

どうも、CL横浜に落選してやることが無くなった8歳の幼女、もみじねこです。

 

こう、何事もなく日常を過ごしていると案外忘れていたりするんですが、CL関連の話が出ると思い出すんですね。

 

俺、久しくCLに出てねえな、と。

 

以前はCLのためにバイトで金を貯め、CLに出て魂を燃やすことで生を実感し、生活の全てをCLが終着点となるように過ごしていました。

 

あれから社会人となり、仕事やその他身辺の状況も変わり、昔ほどポケカに対しオールインの姿勢を取りにくくなったのは抗いようのない事実です。

 

しかし、社会人だろうと結果を残す人はたくさんいるわけで、そんなものを言い訳にする気なんて欠片もなく、今でも競技に対する熱意というかスタンスは変わっていないつもりなんですが、それでも自身のやる気とは関係なく丸一年CLに出られなかった過去を振り返って少しばかり寂しさを覚えたりもします。

(今回のCL落選により丸一年のお休みが確定したわけです)

 

それはさておき落ちる人がいるなら当然受かる人もいるわけで、自分の知っている人でも今回のCLに出場できる人は多々います。

 

そして、自分の知り合いがCLに出場するのなら。

 

自分の中の、ある種押し付けにも近い気持ちが多分に含まれているのは重々承知の上で、せっかく出場権を得たのなら、そのチャンスを最大限活かしてほしいと思うし、優先権獲得で次回のCLに繋げてほしいと思うし、願わくばトナメ、そして世界を決めてきてほしいと思うし、そもそもの大前提として「せっかく出場するのなら、悔いの残らぬよう戦いきってほしい」と思うわけです。

 

さて、オタクの自分語りブログを続けすぎるのも如何なものかと思うのでそろそろ本題を始めていこうと思うのですが、この「悔いの残らぬよう戦う」とはどういうことなのか?というのが今回のスタート地点になります。

 

「悔いの残らぬ戦い」の定義は当人によってバラバラなので(負け試合は全て悔いが残る人もいるでしょうし、グッドゲーム、自分にやれることを全てやったのなら逆に負けても悔やむべきではないという考えの人もいると思います)、もう少しわかりやすく、逆に「悔いの残る試合」とは何か?を考えてみます。

 

これもまた色々あるでしょうが、今回はもう少し絞りやすいのではないでしょうか。

 

自分は「悔いの残る戦い」の大きな割合を占めるものとして「事故ゲーム」が真っ先に出てきます。

 

確かに「ミスで落とすゲーム」も悔やまれますが、これは努力で減らせます。

 

幸いなことにポケモンカードゲームはそこまで道中の激しい分岐があるわけでもなく、インスタントのような相手ターンに行動できるようなゲーム性があるわけでもないので(ガブレン時代はさておき)、しっかりと経験を重ねれば「悔いが残るレベルのミス」というのはあまりやらなくなります。

(正解に辿り着いた自信が無く、試合が終わってから『難しい分岐だったなぁ』と振り返るケースもありますが)

 

しかし、「事故ゲーム」はどうしようもないのです。

 

極端な話、昨日ポケカを始めた初心者が座ろうと、自分が座ろうと、はたまた世界チャンピオンが座ろうと、例えば手札にプレイできるカードが無ければパスをする選択肢しかないわけです。

 

「プレイに介在の余地が無いなら悔やむ部分が無いだろう」という意見もありますが、大事なポイントとして事故にプレイは介在しないものの代わりに事故には「構築」の介在余地があります。

 

今回はこの「構築」という曲者と、少しだけ向き合ってみようという話です。

 

さて、この「構築」ですが、特にサーナイトギラティナを使用している方は今現在どのようなリストを使用しているでしょうか?

 

俗にいう「テンプレ」のようなものなのではないでしょうか?

 

昨今はネットの普及により様々なリストが目まぐるしく流れてきます。

 

そうして、それらが時間経過により段々と似通ったリストに収束し、いつからか「テンプレ」として扱われていき、使う側もその「テンプレ」を「テンプレ」として何の疑問もなく採用していくわけです。

 

しかし、その「テンプレ」は本当に正しいのでしょうか?

 

そのリストが「安定して勝てるから勝てている」のか、「単に母数が多い故に勝っているだけ」なのか、リストを受け取る側はその吟味をしっかりとしなければならないと自分は思っています。

 

例えば少しだけ時代は遡りますが、裏工作パルキアというデッキがありました。

 

軸が持つパワーの高さは流石に疑いようもないですが、しかし、あの時期にテンプレとされたリストは本当に「安定して勝てるから勝てているリスト」だったでしょうか?

 

JCS2022のDay2配信卓、数多のパルキアが鬼のような事故に見舞われながら、頭を抱えながら、必死にミラーマッチを行っていた惨状を覚えている方も多いのではないでしょうか?

 

一撃ルギアもそうです。

 

最近のルギアはハイボ4-キャプチャー4-ネスト2が主流ですが、それは「理論or体感値でその枚数が問題なく動けるラインだったから」ではなく、「どこからともなく4-4-2のリストが流れ着き、それに対してネット上で特に否定する風潮も生まれず、たまたま世間一般としてその配分で根付いてしまっただけ」ではないでしょうか?

 

ロスギラだって、パス4ネスト3アクロマ4ナンジャモ1~2が本当に「安定するからor問題ないから」あの配分になっているのでしょうか?

 

「まあ事故は多いかもしれないけど案外雪道アビスシークでなんとかなるから……」という意見にはある程度同意できますが、「アビスシークで何とかしなきゃならない」と言わされている展開それ自体がもう既に弱くないでしょうか?

 

「撃ちにいくアビスシーク」は非常に強いですが、「撃たされているアビスシーク」はあくまでエスケープとして存在しているだけの択でしかないわけで、「アビスシークがあるからいいや」以上に「そうならないようにするためにはどうしたら良いだろうか?」というアプローチが必要なのではないでしょうか?

(その上で最終的にアビスシークに助けを求める場面は勿論訪れるでしょうが、最初からアビスシークに丸投げすることとは大きな差があります)

 

と、いくらか問題提起をしてみたわけですが、皆さん心当たりはありませんでしょうか。

(心当たりが無いならそれに越したことはないのですが……)

 

これはやはりネットの仕組みというか、リストの流通の仕方が悪さをしている部分もあるんじゃないかなと思っています。

 

例えば基本的に右手が強ければドロサポもボールも少なかろうが問題ないわけで、極端な話その枠を特定のメタカード、つまるところテックカードに割けば割くほど「上振れ値」としてのデッキパワーは上昇します。

(ボールを減らしたギラティナから都合の良いタイミングでピン投の神殿が飛んできて自分のVガードルギアがロストインパクトで貫通されたら『そりゃつえーよ』って言いたくなりますよね?)

 

当然そういう構築は下振れが酷くなるので安定した勝ちは見込めなくなりますが、それが環境デッキであり母数さえ多ければそういう「ブレの大きいリスト」でも誰かがどこかのジムバトルやシティリーグ、自主大会等でいずれ優勝し、それがネットの海に流されます。

 

そしてリストを受け取る側はネットの海に複数あるリストからちょうど良い塩梅を探し出し、それらの集合体がいつの日か「テンプレ」として市民権を得ます。

 

このプロセスに「上振れ構築」のノイズを取り除く手段がないので、ネットの平均を取っている限りある程度ピーキーな要素を孕まざるを得ないのが良くない部分というわけです。

 

ではどうすればいいのか。

 

本来ならば、理論(確率論その他)や何百戦も回した体感値ベースでボールやサポートの枚数を決めるのが理想です。

 

しかし、それには多くの時間が必要なのも事実であり、かつ、ネットのテンプレという集合知を完全に切り捨ててしまうのもそれはそれで惜しい部分もあります。

 

ここで提唱したいのがタイトルの【テンプレ+1】の思考です。

 

今あるテンプレから1枚、何でもいいので初動を増やしてみませんか?という話です。

 

ロスギラならポケギアやネストの4枚目、へんしんスタートのメタモン辺りが候補でしょうか。

 

ルギアなら上の4枚目やバーネットの2枚目、或いはネストの3枚目やスーパーボール。

 

サーナイトなら何かしらのドロサポが丸い選択肢だと思います。

 

この「+1」の考えは自分が大型大会に出る際には昔から(それこそルガゾロを使っているときから)ずっと意識していた部分です。

(当時はネットのテンプレこそありませんでしたが『正直まあこれで回るっちゃ回るな』、の枚数+1を意識しており、ウツギの2枚目がそれに当たる部分でした。まあサイド落ちケアの意味合いも強かったですが、どちらにせよ安定感を求めた採用だったのは事実です)

 

大型大会に必要なのは「上振れ値の高さ」ではなく「安定感」です。

 

よく「CLはホームランしか意味がないから上振れ最強デッキ使った方が良くね?」という話を耳にしますが、これに関しては半分は合っていると思いますが半分は間違っています。

 

例えば「Day1で9-0できるデッキは何?」と考えたときに、「0-3するかもしれないけどハマったときはとんでもない爆発力がある上振れ最強デッキ」が真っ先に思い浮かぶのは正しくありません。

 

何故なら、「0-3するようなデッキは9-0しないし、9-0するようなデッキは0-3しないから」です(とんちか何か?)。

 

正しくは「7-2以上が安定するようなポテンシャルがあるデッキ」です。

 

7-2を安定して取れるようになって、その状態で上振れた日にようやく9-0できるわけで、その7-2安定のスタートラインを満たさないデッキはいくら上振れ値だけ高くとも最初から議論に上げるべきではないのです。

(勿論確率に絶対はないので0-3するようなデッキが上振れ続けて9-0してしまう可能性も0%とは言えませんが、とにもかくにも『9-0する確率の高さ』で勝負するなら『上振れ値』よりも『安定感』に振ったデッキで挑む方が結局のところトータルで見て9-0できる確率は高くなるはずです)

 

「7-2前提、そこからどうやってそれ以上を積み上げるか」の話をしているときに、そもそも事故で1ゲーム落としている暇などないのです。

(まあそれでも多分事故は1試合くらいは起こるんですが、ただし、自分が事故ったけど相手がそれ以上の大事故で何とかゲームを拾うケースもあるわけで、そういう日が『俺の日』って話ですね)

 

テックカードというのは薬でもあり毒でもあります。

 

どうしても「成功体験」が先行しやすいカード群であり、その下に隠れた「安定感の低下」に目が行かなくなってしまいがちなものです。

 

「いやでもこのカードがあると○○にはめっちゃ楽で……」みたいな意見があるのもめちゃくちゃわかりますが、可能な限り「テンプレ+1」を達成するまでは一旦抜いてみることをオススメします。

 

そのデッキが本当に強いデッキなら、テックカードなんて無くとも例えば先攻ブン回りで踏み潰せる可能性などもあるはずなんです。

 

せっかく「○○に勝てるように組んだ!」と言っても、事故って勝てるはずの対面を落としていたら本末転倒です。

 

とはいえポケモンカードは確定サーチが多く、テックカードを活躍させやすい土壌があるのも理解しているので、だからこそ「テンプレ+1」以上は入れなくても良いとも思います。

(勿論理想は『軸は極限まで太く、各対面の対策はすぐテックカードに甘えるのではなく可能な限りプレイングの段階から検討すべき』なのは変わりません)

 

と、色々言ってきましたが、「世のテンプレなんてものは、市民権を得られるギリギリの中で最もピーキーなリストである」というのを(自戒も込めて)改めて認識するきっかけとなってくれたら幸いです。

 

CLまで1週間を切りました。

 

まだ本命デッキが決まらず、かといって逃げデッキとしてテンプレの環境トップを握ってみても上手く回らず、いよいよ困ってしまった人もいるかもしれません。

 

そんなときは「これがテンプレだから」、「これで勝っている人がいるのだから悪いのは自分だろう」で片付けるのではなく、実際に試してみて不満を感じることが多いのならば「これはきっと“正解”の構築ではないのだろう」ときっちりと割り切り、「テンプレからの脱却」を試みてみるのも悪くないんじゃないでしょうか。

 

以上、これを読んだ方がCL横浜にて少しでも良い結果を出せるよう、北の大地から祈っています。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 

※過去記事のまとめを作りましたので、もし良ければ一緒に読んでみてもらえたらと思います。

https://maplecat.hatenablog.com/entry/2023/09/08/025356

【ポケカAdvent Calendar 17日目】カードパワーの変遷

どうも、とうとうガッツリと雪が降り始める時期になってしまい辟易している北海道在住の8歳の幼女、もみじねこです。

 

https://ichyo-poke.hatenablog.com/entry/pokekaAC/outline

 

今回はいちょーさんによるポケカアドベントカレンダーという企画に参加させてもらいました。

 

12月から毎日ポケカに関する記事が更新されていく企画で、自分も参加者ながら読む側としても楽しませてもらっています。

 

さて、17日の担当である今回の記事ですが、「カードパワーの変遷」となります。「環境デッキの歴史」と読み替えてもらっても構いません。

 

とはいっても「データに基づく」とか「○○の理論、カード1枚のコストとそれに対するパフォーマンスの概念」みたいな話ではなく(そういう記事も面白そうですが)、自分が当時使っていたデッキを元に昔を懐かしみながら「今のカードつぇ~」って僕が笑う記事です。日本酒ちびちび飲みながら語る感じ。

(なので自分がポケカを始めた以降で、かつ印象に残っていたデッキしか出てきません。悪しからず)

 

そもそもなぜこのテーマに決めたかについて、時はそこまで遡るわけでもなく1週間前のCL京都(めっちゃ最近やんけ)。

 

記事を書くにはまずネタが必要ということで、最初は無難にCL京都の内容を色々書こうかなと思っていました。

(環境把握→デッキ選択に加えて構築に対する持論みたいなものを交えつつ、のイメージ)

 

……が、しかし、残念ながらDay1を5-3ドロップと惨敗。これじゃあ「構築の持論」みたいなものをドヤ顔で語ったところで「でも君5-3だよね?」と内なる自分がチクチク針を刺してくるので断念し、ネタが一つ潰えてしまったなと悲しみにくれながら友人(4-3ドロップ)とホテルに帰っていきました。

 

そんなこんなでホテルの部屋に戻って友人と腰を落ち着けたのですが、CL遠征をするくらいのポケカ好きが2人同室なら結局話題はポケカなわけで、Day1配信をホテルのテレビに垂れ流しながらプレイと構築にあーだこーだ言っていたら気付けば深夜1時近く。

 

そろそろ寝るかと思いきや、「関連動画」の部分になにやら興味深い動画がありました。

 

四天王かつ世界チャンピオン経験者(もはや個人名)がCLでカエループと呼ばれたデッキを使う動画だったのですが、それを見てみると笑っちゃうくらい当時の環境のパワーが低いというか、ゲーム展開が低速なんですよね。

(ちなみにこれは褒めています。高速環境が手放しに良いということではないので)

 

探せばすぐ出てくるので興味がある方は見てみるのも良いかと思うんですが、先3みちしるべまで相手を殴れず(殴らず?)、先4ゲッコウガでようやく前のゾロアークにおぼろぎり110。おとぼけスピットだったら110ダメージなんて後1ですよ(?)

 

CL新潟のときなので2018年の12月とかだったはずなんですが、「4年でここまで変わるのか」という気持ちと「あれからもう4年も経ったのか」という気持ちで非常に懐かしい気持ちになり、同時に「昔ってどんなポケカしてたっけな」と過去を振り返りたい欲が非常に高まったのでこれをネタとして書いてみようと決めたわけです。

 

つまるところアドベントカレンダーの企画の話を頂いてから2ヶ月近くあったのですが構想から執筆まで結局1週間足らずということで、改めましてどうも、夏休みの宿題は最後まで溜めるタイプ、8歳の幼女もみじねこの過去レギュ振り返り記事となります。

 

とりあえずCL京都で頑張ってくれたウッウ君と張り合えるかどうかでカードパワーを測っていこうと思います(?)

(コイツのカードパワーも大概おかしい)

 

アオギリカメケル

時は遡り2015年の夏頃。当時バリバリ現役のVGC幼女だった自分は大学の先輩からのススメでポケカを始めることに。

 

「始めるのは良いんですけどカード無いのでデッキ貸してください!一番強いやつ!」

 

なんなんだこの生意気な幼女は。

 

というわけで最初に触ったのが直近のWCS2015で優勝したアオギリカメケルです。

 

 

アオギリの切り札(今で言うマスタードみたいなもの)でばくりゅうカメックスを蘇生させ、ケルディオにアホみたいな量のエネルギーを付けてぶん殴るデッキですが、素点50の追加20でよくやれてたなと思います。ウッウのスピットで余裕の2パンだし、逆にケルディオ側がウッウを倒すのに3エネ要ります(?)

 

ただこの時代はバトコン!トレポ!サーチャー!みたいな時代だったのでスピード感はあまり変わらなかったかもしれません。

 

増殖タマタマとスーパーエネルギー回収がとにかく優秀だったイメージがあります。

 

ちなみにポケカを始めてから初の自主大会に出た当日の朝、ジラーチEX(今で言うネオラントV)を持っていなかった自分は会場にいたガチ幼女に頭下げて貸してもらいました(実話)。

 

オーロットBREAK/ゲッコウガBREAK

 

(どちらも後世に語り継がれるバケモン)

 

この記事を書くにあたって各ポケモンの収録弾と発売日を調べてるんですが、この2種類ってどっちも破天の怒り(2015年12月発売)なんですね。トンデモパックすぎますわ……。

 

どちらも妨害に長けたテーマですが、言われてみると今のポケモンカードは妨害テーマはあまり多くないイメージがあります(ドガスダイナとエレキガノンくらい?)。

 

シンプルに殴る方がわかりやすいし受け入れられやすいのは事実なので(特に初心者層)、プレイヤー人口が増えた今はその辺りも気にしながらカードのデザインがなされているのかもしれません。

 

自分は陰湿な幼女だったのでロットから裏縛ってサイレントフィアーしたりしてました。

 

30オールとか今だったら「絶対時間切れ両者負けだろ」って言いながら別デッキ握ってそうですし、そもそも裏縛っても今だったらプライマルターボで普通に逃げエネ確保されそうです(?)

 

30オールしてMライボルトからうねりの大海貼られて帳消しになって頭抱えるみたいな「ワンパンかツーパンか」以外のダメージのやりとりがあるとゲームとしてもう少しロングになって面白い気がしますね。

 

ちなみにおとぼけスピット視点はグッズロックでそもそもロスト4枚貯まるかわからないしかげぬいで特性消されて技撃てないしで絶対当たりたくないです。

 

現環境のデッキですら当たりたくないって考えると当時無双していたのも頷けますね(?)

 

 

ボルケニオンEX

(デュアルタイプまた出てほしい)

 

「ワンパンかツーパンか」以外のやりとりがあると面白いですねと言った直後に紹介するのが鬼のワンパン合戦、平成の餅つき大会と言われた(言われてない)ボルケニオンEXです。

 

ゲーム感としてはこれが今のルギアミラーに一番近い気がします。

(ボルケニオンボルケニオンの弱点突けるのが悪い)

 

この頃はディスペアーレイのMサーナイトを好んで使っていたのですが、スチームアップ3回で平気でワンパンされるので普通に負け越していました。今ならロストのカビゴンでワンパンできるので勝ち越せると思います(?)

 

昔は種EXデッキこそが正義(デッキスペース的にも安定感的にも)ってイメージがあったんですが、いつからか種軸は非ルールだしサイド2以上を使いたいなら進化してねってカードプールになってしまったので、また種のハイスペックポケモンでゲームを組み立てていきたいなという願望があったりします。

 

 

・ゲロジュナ

(可愛い技名からのあまりにも大罪効果)

 

巨大植物の森とかいうぶっ壊れカードによって環境を荒らしていた妨害デッキです。

 

「打点は低め、妨害は強め」のデッキが成立するのはやはり「ポケモンはそこそこ、トレーナーズが強め」のカードプールだからこそだと感じますね。

 

あまり打点が出ない故に妨害しておけば前のポケモンがワンパンされることもなく、トレーナーズが強い故に止めることによるメリットも大きくなります。

 

今は真逆で「ポケモンはインフレ、トレーナーズはデフレ」の環境なので、初動を乗り越えればあとは盤面のポケモン達が自動的に勝ちまで導いてくれる感じですかね。

(結局上述の通りそちらの方が『わかりがいい』のは事実ですからね)

 

それはさておき自分で使うと上手く回らないデッキランキング上位でもあります。

 

盤面にシェイミばっかり並んでジュナイパー2体くらいしか立たずに2個玉引けなくてそもそもブルパンできませんでしたとかよくやってました(下手くそ)。

 

ちなみにロストは不利よりだと思いますが、先1でロックはされないので後1スピットまで繋がれば何とか頑張れそうな気もします。

(非ルールHP110の打点110、やはり強すぎる)

 

 

・ルガゾロ

(最近始めた人に見せたら「ただのデカい“やりくりチラチーノ”じゃん」って言われて発狂するなど)

 

さて、ここの辺りから段々とデッキパワーが加速していきます。

 

2017年の3月にアローラの月光にてルガルガンGX(とカプ・テテフGX)が、2017年の7月にひかる伝説にてゾロアークGXが出たことで成立したこのテーマですがとにかくゾロアークGXのカスタマイズ性が高く、登場後のCLでベスト16のうち15人がゾロアーク入りだったとかなんとか。

(最初は1枚1000円くらいだったのに一瞬で3000円くらいまで高騰した記憶があります)

 

このカードゲームで(というかスタン落ちのあるカードゲーム全般で)登場からスタン落ちまでの2~3年ずっと一線級を走り続けるカードというのはそう多くないんですが(最早ある種の調整ミスである可能性が高い)、ゾロアークは確実にその1枚でした。

 

自分も発売日からスタン落ちするその日までお世話になったカードで、WCSまで連れていってくれた1枚でもあります。

 

余談ですがWCS2019では「WCS当日にA落とします!」とか言い始めたせいで1回も公式戦が行われたことのないB以降レギュを急にやらされ、しかもそのレギュではグズマやフラダリが存在しないので全員カスタムキャッチャーを必死こいて揃えるとかいう意味のわからないことをさせられていました。

 

ちなみにルガゾロ相手におとぼけスピットをしようとしても先2ベトンで崩壊するので全く勝てません(経験談)。

 

 

マッシブーンGX

(筋肉は全てを解決する)

 

2018年の1月、事件は起こりました。

 

ウルトラフォースの発売に伴い今世紀最大のイカれカードであるところの「ビーストリング」と「ビーストエネルギー」が世に解き放たれてしまったのです。

 

直後の札幌シティでは当然のように優勝準優勝をかっさらっていき、後のCLでも「ベスト4全てマッシブーン」をやらかしました。

 

今のような種EXが先2で当たり前にワンパンされるような環境だとこういう構築は成立しにくいので、全体的な打点が低いからこそマッシブーンのパワーは逆に際立つのでしょう。

 

コルニの存在により細かく動けるのも(細かく動くことが許される環境なのも)、マッシブーンの30-30がめちゃくちゃ有効な環境なのも、全てが懐かしいです。非常にポケカらしくて良いデッキだったと思いますね。

 

スピット2回でサイド2だしナックルインパクトじゃないと耐えるのでようやくウッウ君も頑張れそうな対面です(?)

 

 

ウルトラネクロズマGX

(レックウザVMAX「…………」)

 

ウルトラフォースから2ヶ月後、2018年3月に登場した禁断の光でも事件は起こりました。

 

そもそもこれだけ強かったマッシブーンディアンシーが追加されたのも意味不明なのにウルトラネクロズマGX、サイコリチャージカラマネロミステリートレジャー辺りが同時に出てきて完全に常識が崩壊しています。

 

やっぱ今のカードパワーと比べたら昔のカードって可愛いよなってところがこの記事のスタート地点だったはずなのに、今のレックウザVMAXと打点は同じだし種だしサイドも2しか取られないし本当に何?

 

それはさておきリチャージ系の能力は今も昔も変わらぬ味ですね。

 

優秀な種ポケモンを色々詰め込めるので環境に対してのカスタマイズ性が高く、ルガゾロばりに環境に適応しながら生き残っていました。

 

ちなみにロストは対マッシブーン同様ウルネク本体との殴り合いは有利ではありますが、うかうかしていると終盤破れた扉のギラティナキュワワー2体に1-1乗せられてから滅亡の光GXでサイド2枚を取られてしまうので早めに逃げ切りたいですね(?)

 

 

ジラーチサンダー

(夜の行進と並ぶ非ルール最高傑作)

 

2018年10月に発売されたダークオーダー後、突如として現れた非ルール種軸のビートデッキであり、ルガゾロ-ウルネク-ジラサン期の一角です。

 

カプ・コケコとエレキパワーという後世に語り継がれる(コイツすぐ後世に語り継いでんな)ぶっ壊れ雷サポートカード2種を引っ提げて「相手の進化前はサンダーで潰し、進化後はエレキパワーを抱えて無理やり突破します」というのがこの構築でした。

 

生半可な進化デッキだと後1グズマアサルトサンダーからぐちゃぐちゃにされます(ジラサンが環境にいるが故に陽の目を見なかったデッキも多数)。

 

この構築の良いところは非ルール軸でありながらGX技という必殺技を無理なく組み込めることと、構築の自由度が高いことの2点です。

 

非ルールのウルトラビーストは相手のサイドを参照する技が多くあり、ジラーチサンダーは非ルール軸の性質上踏ませたいサイドを相手に踏ませるのが得意なのでそのタイミングに応じて適切なウルトラビーストを差し込みゲームを優位に運ぶ通称UBジラサンというデッキを好んで使うプレイヤーもいました。

 

なお、冒頭のカエループは時期的にはここに当たります。

 

手札干渉がほぼ存在しないプールだった記憶があるので(ジャッジマンくらい?)ジラサンやカエループのような「溜め込む」系のデッキも活躍しやすかったのでしょう。

 

ちなみにアサルトサンダーは弱点計算しないので、流石にウッウ側が殴り合い有利だと思います。よかったね(?)

 

 

・ピカゼク

(圧倒的主人公。アニメのサトピカ引退らしいけど大丈夫?)

 

この辺からインフレが大幅加速し、今の感覚と大体似たような打点、HP、追加効果となっていきます。

 

何故ピカゼク、コケコ、サンダーマウンテン、エレキパワー、デデンネ、電磁レーダーが同じ色に集結したのか全くもって意味がわかりませんが、とにもかくにもそのあまりにも恵まれたサポートの面々により一瞬で環境トップの一角まで食い込みます。

 

……食い込みますというか生まれたときから環境トップって感じでしたね。

 

時代も背景も違うので同列には語れませんが、マッシブーンのナックルインパクトが3エネ160デメリット効果なのに対してフルドライブが3エネ150の3エネ加速、下手したら次のターンに200-170飛んできますって考えると強いインフレの波動を感じてしまいます。

 

後々スピード雷エネルギーを獲得したりデンジ後出しハンマーからテンポを取りつつパルスワンでエネルギー加速をしてみたり、色々試行錯誤しながら最後まで環境に残り続けていました。

 

ちなみにウッウのスピット+ザグマロストマインで倒れてしまうので多分ピカゼク側は多分そこまで有利ではないと思います(?)

 

 

・レシリザ

(先1やぶれかぶれ無人カキって呪文だけ一人歩きしてますけど普通に先1カキ単品でも厳しいのでやめてほしい)

 

CL/JCSで2冠取ったのはこれとレジくらいですかね(記憶が正しければ)

 

シンプルにテテフデデンネ型のレシリザもいればフレアスターター型のブルーレシリザもいました。というかボルケニオンが優秀すぎます。

 

登場直後~JCS2019辺りまでの環境では圧倒的でしたがカキや先1サポートを失い、加えてインフレに伴いフレアストライクのコスパも悪くなり、後半は中々に難しい立ち位置にいたと思います。

(4エネ230が弱くなってしまうのがポケモンカード)

 

最後はミュウミュウの弾としての使われ方の方が多かったイメージですね。

 

おとぼけスピットはレシリザなら殴り合い有利だと思いますがミュウミュウだとミラクルツインとかが厳しそうな印象です(?)

 

 

・3神ザシアン

(ザシアンVのテキストを読んで全人類思ったこと。「お前手札に加えるの!?」)

 

記念すべきソードシールド1弾目、化け物のような性能のポケモンから新レギュレーションは始まりました。

 

3エネ230、サイド2、メタルソーサー、極めつけの不撓の剣。

 

「最初にして最強のV」を携えた3神ザシアンはポケモンカードの歴史の中でも相当強固なトップを握り続けていたと思います。

 

しかも3神ザシアンという構築は「オルタージェネシス後に3神が生き残っていれば基本的には勝ち」という、びっくりするくらい勝ちまでのルートが楽なデッキです。

(この辺から『勝ちへの自動化』、つまり『盤面=ポケモンで既に勝っている』概念が出来上がってきたような気がします)

 

アルティメットレイまで繋がればエネルギーを引く要求すら存在せず「敷かれたレールを走るだけ」の簡単な作業であり、しかも相手によって立ち回りを変える必要性があまりないのも異質と言えば異質でした。

(結局サイドをズルして取れば対面のデッキに関わらず勝てるので)

 

綱渡り、細い筋、針の穴を通すような勝ち方よりも、毎回同じことをやってイージーウィンを積み重ねることのできる、太い勝ち筋のある簡単なデッキの方が安定感の求められる大型大会では適しており、その安定感故か対面に依らない勝ち方を取れる性質故かはたまた両方故か、3神自体がスタン落ちするそのときまで環境トップを走り続けていました。

 

惜しむらくはこの3神ザシアンが使えるプールのWCSが存在しなかったことですね。使えてたら優勝していたんでしょうか。

 

ちなみにロストは3回殴られてサイド6枚取られて負けです。ダメですね(?)

 

 

・ミュウVMAX

(毎ターン何回もセットアップして良いんですか!?)

 

最後に紹介するのは皆さんご存知ミュウVMAXです。

 

ゲノセクトが名称ターン1じゃなかったのが悪い、これに尽きます。

 

というかフュージョンアーツが去年の9月なのでまだ1年ちょっとしか経ってないんですね。

 

あまりにも環境に居すぎて逆に2年くらい経っているイメージでした。

 

ちなみに自分が「結局レギュ落ちまで居座ってしまう、つまるところ半ば調整ミスレベルのパワーを持ったデッキ」と評価しているのがルガゾロ、ピカゼク、3神ザシアン、ミュウVMAXなのですが、その最後のデッキになります。

 

基本的にVMAXはほとんど評価できないと感じていた(そして実際ほとんどのVMAXは強くはなかった)わけですが、唯一手放しで強いと思える1枚です。

 

まあバリバリ現役なので語るも不要ではありますが、やれることがここまで明白なのに一生強いのはそのスピードと再現性の高さ故でしょう。

 

「知っていても止められない」というのはカードゲームにおいて(というかカードに限らず大半のゲームにおいて)一番強い能力で、上記4強デッキも何かしら知っていても止められない性質を持っていたりします。

(ルガゾロのベトンスタンプ、ピカゼクの後1フルドライブ、3神のオルタージェネシスなど)

 

ちなみにウッウ君だけだとサイコジャンプされて話にならないので自分はドラピオンVを入れます(ズル)。

 

……昔のカードパワーと今のカードパワーを比べるつもりで始めたのに意外と昔のカードを褒める展開になってしまった気がしないでもないですが、やはりいつの時代も環境トップに君臨するデッキはどの時代から見てもどこかしら壊れた要素があるんだということなのでしょう。

 

さて、最後にex以降、「これから」の話をして締めに向かおうと思います。

 

結論から言うと、今見えているカードだけで言うなら「かなりデフレに向かおうとしているんだな」というのが感じられます。

 

勿論たった少量のカードを見て何がわかるわけでもないですが、Vシステムの「ザシアンV」やVSTARシステムの「アルセウスVSTAR」など、「最初こそ最強格」に刷られがちな今のポケモンカードの前提で「コライドンex」と「ミライドンex」を見ると少しパワーは抑えめなのかなという評価です。

(ミライドンexは流石にやれそうですが)

 

ミミッキュexも昔のゲンガナンスみたいなことをするのかな?と思わせてくれるようなテキストですし、ウインディexを見た瞬間の印象は「鍛冶屋だなぁ」でした。

 

ただ、これは悪いことではなく、今後のカードプールが「ポケモンはそこそこ、トレーナーズが強め」の環境を想定されているのだとしたらプレイングや構築に幅が出やすくなりかなり喜ばしい変化とも言えます。

(ポケモンの部分で既にデザイナーズコンボが成立してしまうと他の部分で『遊び』を持たせにくくなってしまいます。ルギアやミュウが良い例でしょう)

 

進化前が非ルールということからサイド2の軸を握ってジャンケン負けて「はい先2で進化前のVきぜつしてサイド2枚取られましたこれ返せなかったらほぼ負けです」みたいなことも起こらなくなりそうで、ロングゲームになりつつ後攻の不利も幾ばくかは改善されるのではないかなと思います。

 

「exは『逆転』がテーマ」ということで、カウンター系統のカードが刷られる予感もしますし、もしかしたら世界最強グッドデザイン賞受賞カードであるところのNが再録されるかもしれません。

(カード名称自体は違うもので出そうですが)

 

世間の反応では「exどれも弱くね?」という声もあり、ポケモン単体で強いか弱いかで言うと強くはないしむしろ弱い寄りなのも事実ではありますが、自分はこの絶妙なデフレ感が昔のポケモンカードの環境を再現してくれるのではないかなとかなりポジティブに期待しています。

 

と、来年の1月20日に前向きな期待を投げ掛けて自分の記事を終えようと思います。

 

明日はあむさんの「ポケカで思い描く未来」ということで、どんな内容が書かれているのか今から楽しみですね。

 

最後に今回企画を持ち掛けてくれたいちょーさん、楽しいイベントをありがとうございます。

(遅筆ですみませんでした)

 

ブログは書いたことこそあれどこのような「ブログを書く人を集めて何かしよう!」という試みには参加したことがなかったのでとても新鮮でした。

 

次の開催は来年のクリスマスになるのかもしれませんが、もし誘っていただけるならそのときも参加したいなと思う次第です。

 

では、ここまで読んでいただきありがとうございました!

【シティリーグ札幌優勝】シンプルなミュウVMAX

どうも、最近急に気温が下がってきて北の大地の厳しさを感じ始めている8歳の幼女、もみじねこです。


「思えば最近ブログ書いてないなぁ」と直近の記事の日付を見たら今年の3月で、もう半年以上も経ったのかと月日が流れる速さを感じています。


まあ書く内容が全く無かったかと言われたら案外そうでもなくて、何だかんだでCL愛知やJCSも出てはいました。


しかし残念ながら結果は振るわず、CL愛知3-3、JCS2-3で記事を書いても自分が悲しくなるだけなので何も書かないまま半年の期間が空いてしまったというわけです。


と、最近調子が悪めな自分でしたが、今回出場したシティリーグ札幌ではタイトルにもある通りまさかの優勝。


CSPの絡みがあるので「ベスト4以上取れればめっちゃ嬉しいな」とは思っていましたが、ここまで上手くいくとは思わず自分でもびっくりです。




・パワーの高い構築を使おう

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使用構築は上記の通りルガゾロ……ではなくミュウVMAXです。


レシピ自体は際立った個性があるようなものでもないので後述するとして、せっかくなので少し抽象的な話をしようと思います。


今回のシティリーグにおいて、デッキ選択に関して意識した点が1つあります。


それが「素直にパワーの高い構築を使おう」という点でした。


そもそも何故自分はCL愛知、JCSで負けたのか。


勿論プレイングが至らなかった部分もありますが、とはいえCL愛知3-3、JCS2-3で「まあ仕方ないね」と笑って済ませられるほど甘いプレイをしてきたつもりもありません。


ただ、過去自分が勝てたときとは明確に違う点がこれら2回にはありました。


それが「デッキ選択」です。


CL愛知→3神とビクティニレッパが2トップと言われていた時期。自分はメタ側のマッドパーティを使用。勿論3神に対してもそれなりに勝てるつもりで持ち込んだものの、とはいえ1ターン要求を満たせなかったり対面のクチートGXがクリティカルな刺さり方をした瞬間に簡単にひっくり返され、結果として3神に2回負け2-3。


JCS→まだ記憶に新しい「黒馬、連ウー、ダイナ」の3すくみ期。自分は悪連ウーを使用。(悪はともかくとして)連ウーの選択自体はデッキパワーで考えても正解だったと思うものの、構築の細部が定まらず迷走。結果として黒馬メタに寄せすぎたピン積み21枚の構築が生まれ、当然回るわけもなく2-3。
(不戦勝込みなので実質1-3)


そう、見ての通り「メタに回りすぎ」です。


そもそもとしてカードゲームの環境なんてものは想像以上にバラけているもので、どれだけトップシェアと言われている構築でも30%前後なわけです。


その30%を追いかけすぎて残りの70%を犠牲にすべきではないのです。
(勿論『トップシェアに勝てないです!』という構築は握るべきではありません。対トップシェアに寄せ“すぎる”のが問題という話です)


今回も、元々は8月頃から愛用していたスイクンファイヤーを握ろうとずっと思っていました。


対ミュウ性能の高さ、裏工作の安定性、「どんどんよぶ」で後手番でも強く動け、種ポケモン軸による「進化前のVを引けなかったから殴れなかった」問題の解消。かなり良いデッキだと思っていました。
(余談ですがスイクンファイヤーを渡したアキトがCL京都で7-2したnoteが公開されています。有料記事ですが良ければどうぞ)
https://t.co/FKJ6bqU5lp?amp=1


しかし、対ミュウ性能が高いと言いつつも、そもそもとして今はミュウ1強ですらないかなり群雄割拠な環境。


そう、まさに先程書いた通りの「メタに回りすぎ」です。


スイクンファイヤーはあくまでも「ミュウには強いが他には五分」の構築です。


メインアタッカーのスイクンファイヤーがサイド2であること+アクアバレットによるサイド1を挟めることから2-2-1進行で誤魔化しは狙えますが、それでもやはりタフネスマントを貼ったスイクンをワンパンしてくるような構築相手は難しい部分があります。
(また、ツールジャマーおよびツールスクラッパーがクリティカルに刺さってしまう部分も懸念点でした)


「このまま何も考えずにスイクンファイヤーで突撃したらCL愛知やJCSの二の舞になるのでは?」と直前で非常に嫌な予感が胸中を支配し、結果として「ミュウをメタるより自分がミュウを使う側に回り、ミュウメタの構築はミュウ自体のパワーで乗り越える方が健全」というデッキ選択に至りました。


事実先手番のミュウは単純な相性差を乗り越えるパワーがあり、ウィークガードを貼っていけば(勿論うねりの扇はあるものの)そもそもとして殴り合いの土俵でも五分の勝負ができます。


ミュウという構築自体がゲノセクトによりウィークガードを引き込める理由付けもあるので、結局悪やミラーのどれかに負けたとしても予選は1敗で抑えられるかなといったイメージでした。


「無理して30%のトップシェアに勝ちにいくのではなく、70%の『それ以外』を落とさないようにする。その上で残りの厳しい構築相手はジャンケンと気合い」


みたいな割り切り方が何だかんだで大切だったのかなと思います。
(思えば去年シティリーグ金沢を3神ザシアンで優勝したときも『ジャンケン勝てば全対面有利!苦手マッチ踏んだ上で更にジャンケン負けるのは割り切り!最悪後手1オルターすればよし!』みたいなノリだった気がします)




・どんなミュウを使うか

さて、ミュウを使用するのは決まりましたが、ここからは構築の細部を詰めていかねばなりません。


結果を先に言うと、今回は余計なカードを詰め込まずシンプルに「とにかく安定を!」の思考で詰めていきました。


というのも、ミュウの強さの本質が「手数の豊富さ」ではないからです。


例えばルガゾロのような軸なら細かいピン積みやメタカードを活躍させられますが、ミュウは「フュージョン」という強烈な制限がある上にゲノセクトやミュウを複数体並べる関係上ベンチスペースもありません。


では、ミュウの何が「パワー」なのか。


自分はシンプルに「裏呼び」だと判断しました。


当然ですが基本的にドローと裏呼びが両立しないポケモンカードにおいて「裏呼びし続けられる軸」はそう多くはありません。


いつかエネの供給もしくはポケモンの供給が追い付かなくなります。
(あのインテレオン軸ですら例えば『メロンとボスが両立しない』など、裏呼びしながら戦線を維持するのは難しいわけです)


そんな中でミュウは大量ドローによりボスを引きながらエネルギーやポケモンを探しにいけます。その上ピオニーが状況次第でグズマとなるので実質裏呼び6枚構え。


一撃デッキのカリンのような「必殺技」はなくともこのシンプルな210打点を裏呼び絡めて飛ばし続けることが単純に「パワー」な、ポケモンカードの本質的な部分を捉えた強さだと感じました。


なので今回はシンプルに組むのが最もミュウの強さを発揮しやすいだろうということで下記にて簡単な個別説明を行っていきます。




デデンネ1

入っていないリストも多いですが、個人的には最強クラスの1枚でした。


特に先攻だと盤面が満足に並ばないこともあり、そこで「このゲノセクトの3ドローに全てを賭ける……!」みたいなことをしているのがあまりにも弱すぎて入れましたがしっかりと機能してくれました。


終盤もフュージョンシステムと合わせることでボスやピオニーをほぼ確定でサーチするカードと化けるので入れて損はしないカードだと思います。


・マリィ1

素で引き込んで強いカードは勿論ピオニーですが、とはいえピオニー4枚のみに前に進むためのサポートを任せきりにするのも不安だったので1枚だけ採用。
(クロススイッチャーなど切りたくないカードとの兼ね合いも考えて博士ではなくマリィにしました)


・霧の水晶4

リセットホールをサーチすることによる擬似的な雪道対策、実質エネルギー転送、初動にピオニーが絡まない場合のミュウ着地(=クイックボールをゲノセクトに使えるので安定しやすい)、空撃ち可能とあまりにも最強の札でした。


初稿2だった自分のリストに対して「いや水晶は4だろ」とマジレスしてくれたともポンに感謝。


・バトルVIPパス2

そもそもVIPパスが撃てている状況=ほぼピオニーが撃てている状況なので、だったら1枚じゃなく2枚積んでピオニーから4体並べるのが強いだろうという考えです。


実際ピオニーからVIPパスを2枚サーチする試合は何度もあったことに加え、「ピオニーから盤面4体並ぶならここの水晶はミュウじゃなくて超エネでいいか」というパターンもあったので見えにくい部分での後手番の安定性向上にも繋がっていたと思います。


・友達手帳1

ピオニー型なら是非とも欲しい1枚だと思います。


そもそもピオニーというカードが序盤は展開として、終盤はクロススイッチャーとして活躍するカードなので常に山に残っている状態が強い

ピオニーというカードが手札を巻き込んで撃つ関係上切りたくないボスなどを切ってしまう可能性が高いため、それらを戻せるカードは当然強く使える

ミュウというデッキ(というかゲノセクト)がそもそもカードを引き込むことに特化しているので戻したボスやピオニーを引き込みやすい


と、ピオニー型のミュウとかなり相性が良いです。


前述した「シンプルな裏呼びし続けられる強さ」を支えてくれるカードでした。


また、シティに限らず安定した成績を求めるなら「本来勝てそうだったのにラストターンの要求値を満たせず1ターン渡したがために負けた」という負け方は避けるべきで、友達手帳はそういう「勝率の底上げ」に役立つカードでした。
(事実、今回のシティで『裏を呼びたい』と思ったターンにそれを満たせなかったことは1回もありませんでした)


・パワータブレット2

ミュウを握ることに決めた夜、一人回しをしながらずっとあることを思い続けていました。


「これ、タブレットを空撃ちする場面があまりにも多すぎないか?」


そもそも大体の対面は210を基準に1回殴るか、或いはVMAXなら2回殴るか程度で、「裏のHP220以上のVを倒す」くらいでしかタブレットのタイミングがないかなと思っており、だったらここの枠を水晶やデデンネに割いた方が全体的な動きは安定するだろうと考えました。


ダイナバリアを採用している場合は70+210の打点にタブレット2枚で340まで見えるためタブレット4枚はわかりますが、今回はダイナバリアすら抜いてしまったのでそれなら2枚で十分かなと。


なお、そもそもダイナバリアを抜いた理由は「基本的に後2で撃つ技で、その状態から紐1枚で解決されるのがあまり嬉しくない」というのが理由の1つですが、本音は「ダイナバリアを入れるならタブレットは4枚欲しいがタブレットを4枚入れる行為がそもそも弱くて嫌だから」です。


・入れ替え3

元々2でしたが前を追いかけたいタイミングで山に入れ替え札が残ってない時点で前を倒せないパターンが存在してしまうのがもどかしすぎて1枚増やしました。基本的にテクノバスターでゲームを進める以上は入れ替え札=デッキの根幹と結び付く札なので、ケチらずにしっかり3枠割いて正解でした。
紐ではない理由として「紐が欲しい場合は大体クロススイッチャーか入れ替え+ボスで対応可能だったから」です。


・エネルギー4-4-2

ウィークガード4は弱点に対するせめてもの抵抗として最大枚数、フュージョンエネルギーも最強かつカミツレとの噛み合いも考慮して最大枚数。


残り2枠は「サイド落ちを気にせずピオニー→霧の水晶の流れでエネルギーを確保したい」、「裏工作軸に後手を踏んだ場合、先2で前のミュウが飛びつつうねりの扇で裏のミュウのエネルギーが剥がされると厳しいので少なくともエナジーミックス込みで前と後ろに両方基本エネルギーを貼りたい」という理由から基本エネルギー2枚に。


・うねりの扇、雪道不採用

どちらも後手捲りとして捉えられているカードですが、特にうねりの扇は後手捲りにあまり機能しないと思いました。


というのもミラー後手の基本的な勝ち筋は後手2→3→4で全部裏を呼ぶ2-2-2コースで、それなら前を触らない=相手視点エネルギーの供給には困らないからです。


後1で扇を撃てれば先2カミツレ要求にはなりますが、そもそも先1が基本エネルギーだった時点で破綻するので貴重な1枠を割くには惜しいかなと。


雪道は扇よりはまだ現実的ですが、根本的にアンチシナジーであることには変わりないのでベストなタイミングでビタ刺しして、結果的にそれによって勝てる確率が果たしてどれくらいかを考えるとやはりここも1枠割くのが惜しく思えてしまいました。




以上が簡単な構築紹介でした。


ここからは当日の対戦レポートをして終わりとなります。




・予選1戦目:ザシザマジュラルドン:○

対面ザマゼンタスタート。ルカメタだったら厳しいなと思っていたら龍ジュラルドンが着地したので「なるほどね」と胸を撫で下ろす幼女。


先2タブレット→ピオニークロススイッチャーから龍ジュラルドンを進化前に突破。


サイド3の押し付けを回避できたので、残りはザシアンとザマゼンタをそれぞれ2回攻撃して2-2-2ルートで勝利。


何とか初戦を取れて安心していました。


・予選2戦目:スイクンインテフリージオ:○

スイクン相手とはベンチを絞ったことで優位に立ち回るも、流れで出してしまったゲノセクトフリージオでロックされて7パス。


しかし、相手もカチコチロックしか撃てない&クイックシューターが1体しかいなかった&フュージョンエネルギーにより撃ちたいところにクイックシューターを撃てず、パス回数の割にゲームは動かず。


8ドロー目にエネルギーを引き込み、7ターン温存したカミツレからゲノセクトを逃がしてフリージオを突破するも残り時間はあと僅か。


結果的にはお相手からの投了という紳士的な対応を頂き勝利。


自分が超速プレイをしていたならまだしもそんなことはないわけで、終盤急かしてしまったのは仕方ないとはいえ筋ではなかったかもなと猛省。


・予選3戦目:ミュウミラー:×

せっかくミラー先手を引けたのにゲノセクトに全く触れず、デデンネGXからも解決札が無くパスを続け、ようやくゲノセクトが着地した頃には残サイド6-2といった有り様。


そのまま殴られ敗北。


最初の3戦で3-0か2-1かは(オポネント的にも気持ち的にも)あまりにも天地の差で、負け方も負け方だったのでめちゃくちゃ凹んでました。


・予選4戦目:ゲノセクト:○

ミュウが見えたので普通のタイプかと思いきやメタルソーサーやガラルニャースなどかなり鋼寄りのイメージ。


先1で4積みのVIPパスが引けなかったようで動きが鈍り、逆にこちらは後1ピオニーからVIPパス2枚で差を広げ、何とか2-2-2で勝利。


3-1で魂の1戦に駒を進めます。


・予選5戦目:ムゲンダイナ:○

後手番な上にダイナで白目を剥く幼女。


しかしお相手動きが渋く、先1エネ貼れずエンド、こちらは順当にピオニーから展開。


お相手ガラスマタドガスを立ててきたのでとりあえずボスでブラッキーVを呼びながらサイドを2枚取得。


次のターン、ウィークガード付きミュウVMAXがクロスフュージョン→ダイミラクルを宣言、前のガラスマタドガスを倒してサイド3。


ここで返しに前が倒されると雲行きが怪しくなるはずがまさかのダイナに2エネ目が付かずミュウVMAX生存ルート。


そうなるとあとはダイナを2回追いかけて勝利。




4-1、5位抜け。小躍りする幼女。


目標だったベスト4以上に挑戦する権利を得られました。




・決勝トナメ1戦目:ゲンガー:○

お願いしますと捲ったバトル場がゲンガーVで天を仰ぐ幼女。


しかし、ゲンガー相手でも先攻なら何とかなるのがミュウの良いところ。


後1入れ替えで裏に下げたゲンガーを待ってましたとばかりに先2クロススイッチャーテクノバスターのフルムーブ。


盤面からゲンガーが消えたので場のミュウを倒せず、デルビル壁でターンエンド。


こちら先3カミツレから裏のミュウVを育て、育てたミュウVをそのまま前に出してサイコジャンプ70、残サイド3。


返しにゲンガー進化ヘルガー進化からボスまで来ると危うかったもののボスまでは届かず、サイド2の押し付けに成功。


そうなるともうパニックフィアーのケアも要らないのでフル展開から大量ドローをしつつテクノバスターでゲンガーVMAXを傷物に。


当然返しに新品ゲンガーVMAXのパニックフィアーでミュウVMAXが倒されるもその返しに大量ドローからボスを引き込んで勝利。


気合いの勝利で目標のベスト4を達成。


・準決勝:ザシザマジュラルドン:○

お相手きみどりさん。使用構築的にもプレイヤーの実力的にも今回のシティリーグで間違いなく1番厳しい相手。


当日は予選も5-0、1位通過と調子も良さげ。
(きみどりさんも今回のシティに関する記事を公開しているので良ければそちらもどうぞ。全文無料です)
https://note.com/7_mizukimidori/n/nc441a1117763


お相手鋼ジュラルドンスタート、ツールジャマー貼りでパス。


即パスではなく悩んでいたので何らかの選択肢があったのだろうと思いつつ、こちらはできることをするだけなので後1ピオニーVIPパス2枚から様子見。


先2クラハン+博士、博士でデデンネが切れたので「なるほどクラハン温存+デデンネをそもそも場に出したくなかったのか」と勝手に納得する幼女。


お相手先2ザシアンザマゼンタ着地+不撓の剣。サイド4枚までは見えたので、残りはジュラルドンに付き合うか否かの選択です。
(ジュラルドンに付き合うならザシアンはタブレット絡みで1パンしないと裏呼びの回数が足りないかなぁと漠然と思っていました)


クラハン表だったので後2で殴る選択肢が消えますが、お相手もスローテンポな立ち上がりだったのでまだ余裕はあるだろうと思い基本超でエナジーミックス。
(エナジーミックスではクラハンの2枚目以降を考え、1番割られても良さげなウィークガードを貼った記憶があります。基本超×2でジュラルドンの特性を回避しながらテクノバスターを叩き込むのが勝ち筋の1つだと思っていたので、扇も怖かったですが基本超だけは大事に扱いました)


お相手先3も不撓の剣。エネルギーが付かないのが救い。


後3からようやく動き出し、エナジーミックスを撃ったミュウを下げながらクロススイッチャーザシアン、しかしタブレットを引けずしゃーなしの削り。
(後2エナジーミックスで貼るエネルギーがウィークガードではなくフュージョンエネルギーなら後3ボスザマゼンタ→ダイミラクル130でタブレットを引けない場合でもケアできていたかもなと。クラハンに怯えすぎました)


先4、勝負のターン。


ボスからデデチェンジで入れ替えを引かれ、前のザシアンを入れ替えながらキョダイフンサイでミュウが気絶。


お相手としては「基本超付きのミュウを倒す」、こちらとしては「取りやすいサイド2のポケモンの着地」と、双方のプランニングが固まり始めた頃でした。


こちらは後4ボスでザシアンを追いかけサイドを2枚取るも先5ボスキョダイフンサイでゲノセクトを取られ喉元に刃を突き付けられます。


先5でデデンネにオーロラを貼られていたので「それはダメだ」とスタンプを撃ちながら後5クロススイッチャーで追いかけこちらもサイド残2。しかしここからが遠い。


前にキョダイフンサイを当てられながら、「どうせボスを引かれたら負けだ」と新品のミュウを前に出してタブレット+ダイミラクル160。


お相手次のトップでボスを引けないが、ここで160ダメージを受けたジュラルドンを前に置きながら技を撃つわけにもいかないのでリーリエのピッピ人形前エンド。


しかし、こちらもタブレットの枚数的に返しでゲームに勝てないのでクロスフュージョン→情熱の雫50点で打点調整。


最後のドロー、お相手ボス引けず、こちらがボスダイミラクルで210ダメージ乗っていたジュラルドンを倒しゲームエンド。


お相手の初動やスタンプの刺さり具合などかなり運に助けられた試合でしたが、それ以上に白熱した試合でした。


・決勝戦:ミュウミラー:○

予選3戦目で当たった方との再戦。


ミラーとわかっていたのでジャンケン負けで天を仰ぐ幼女。


しかし、今日は俗に言う“俺の日”というヤツだったのでしょう。


お相手の先1はまさかのバトル場ゲノセクト、ベンチゲノセクトフュージョンエネルギーをベンチのゲノセクトに手貼りしてエンド。ミュウが立たない。


この1ターンは逃すまい。


バトル場ミュウ、ベンチにミュウ+ゲノセクトという盤面、後1カミツレからエナジーミックス、バトル1エネとベンチ2エネの計3エネ盤面を一気に作ります。


お相手先2でゲノセクトが4体並ぶも肝心のミュウは1体しか並ばず、ポケモン入れ替えからラティアス前、うねりの扇を撃ちながらお祈りエンド。


こちら手札にミュウVMAXとボスがあるも手貼りエネが無く、うねりの扇のせいで技が確定していない状況。


このままだとフュージョンシステムの2ドローくらいでエネルギーを引き込むかクイックを引き込みデデチェンジなどをするしかない……!頼む1エネでいいんだ1エネさえあればボスで1体のミュウを倒せるんだ……!頼む……!


そして運命のトップドロー。


霧の水晶「やぁ」


水晶は4だよお前マジで……!ともポンありがとう……!


感謝の水晶→超エネからボスミュウテクノバスター。盤面からミュウが消えたことからこちらのテクノバスターを耐えられるポケモンが次も居なくなり、そのままクロススイッチャーも絡めてミュウがサイドを6枚取りきって勝利。




・最後に

いやぁ、持ってる日でした。本当に。


ただ、持ってる日に持てる最大限を活かして優勝できたのは、やはりミュウVMAXが持っているパワー故なんだとも思いました。後付け感もありますが(笑)


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さて、今回の優勝でCSP270、プレイヤーランキングは11位まで上がってくることができました。


思えばシーズン4までで

シーズン1(金沢) 優勝 100pt
シーズン2(富山) ベスト8 25pt
シーズン3(札幌) ベスト16 15pt
シーズン4(札幌) 優勝 100pt

と、コンスタントにCSPを積み重ねられてきたことは素直に喜ばしい点なのかなと思います。


残り2シーズン、社会的情勢もあるのでどのように動くか見えない部分も多いですが、自分は自分のできることをやるだけです。


そして、自分にできることなんてのは結局限られてて、つまるところ練習する以外に道はないのかなと思います。


結構現実味を帯びた話となってきた、WCSを目指したポイントレース。


少しでも権利獲得に繋がるように、これからも練習を積み重ねていこうと思います。


ここまで読んでいただきありがとうございました!

アクセルとブレーキ

どうも、楽しくマッパを握っていたら急に出てきたミカルゲに破壊された8歳の幼女、もみじねこです。


https://maplecat.hatenablog.com/entry/2021/01/19/033520

前回の記事は「山の逆圧縮防止」の観点から「動かないプレイング」を説明しましたが、今回は「試合の展開を把握したら現状動く必要がないので結果的に動かなかったプレイング」を説明していこうと思います。
(前の記事は常体で今回の記事は敬体なのは勢いで全文書いてから直すのが面倒になったからです。各記事内で統一されているならいいかなって感じで)




・「ブレーキ」の存在を認識しよう


「僕だったらそのターン特に動かないです。ドロー、手貼り、技撃ちます。終了。で、ターン返します」


フリー中の友人のプレイを後ろから見ている自分はよく上のような言葉を口にします。


単純に“動く必要がないから”動かない。


自分は「走るべきターン」=「特定のパーツを揃えねば負けに直結するターン」以外は基本的にプレイングにブレーキを踏んでいるような印象です。
(何故なら走らなくていいので。下手にカードを消費する理由もありません)


リソースというのは基本的には使えば失われていくもので、手札と山札にリソース=選択肢が残っていれば残っているほど自分のできること(ゲームプランの分岐)が増えて、柔軟性を増していきます。
(当然前の記事で言うところの『スタンプ耐性』にも繋がります)


逆に、アクセルを踏めば踏むほど終盤に残された選択肢が少なくなり、例えば「どうせ厳しいゲームならこのターン一旦リソースをキープして次のターンに全てを賭けた方が良いのに何も考えず雑に動いたせいで捲り札が無くなっちゃった」なんてことも有り得ます。
(自分はこれを『緩やかな死』と呼んでいます)


これを回避するのが「ブレーキ」の思考です。




・「ゲームの展開を事前に準備する」

で、このアクセルとブレーキ問題ですが、ピンと来ない人は「自分の構築の勝ちパターン、勝ちルート」をはっきりと把握できていないことが原因なのかなと思います。
(これをすれば勝ち!を目指すのではなく、何となく殴って何となく勝って、何となく負けて、を繰り返しているような)


「このターンは何がなんでも走るべきターン」

「このターンは最高でA、最低でもBのパーツを集められればそれで十分なターン」

「このターンはまだ動かなくても大丈夫な(即座にゲームに負けるわけではないのでリソースを温存しておくべき)ターン」


そもそもこの区別が付いていないのならば、当然リソースを吐く吐かない、アクセルを踏むのかブレーキを踏むのかの判断ができません。


これを解決するには「試合を通して自分が勝てるパターンの分岐を最初から大まかに把握しておくこと」が大事だと思います。


試合の展開が見えれば「このターン最低限やりたいこと」がわかるので、その“最低限”さえクリアできればあとは特に走る必要はないというわけです。




3神ザシアンで試合展開の具体例を簡単に挙げるなら、


①2Tオルター後に3神が生き残っている場合

そのままアルティメットレイまで繋がれば、返しに3神が倒されてもザシアンのブレキャリで傷物にした前のポケモンを追い掛けて(180+260)サイドを3~4枚進められる。そのザシアンが仮に倒されたとしても、相手は3神とザシアンでサイド5枚しか進めないので2体目のザシアン+ボスで勝ち。


②2Tオルター後に3神が倒される場合

返しにザシアン起動からボスでデデンネorクロバット、次のターンも同様にボスからデデンネorクロバットの3-3進行がメイン。もし相手が3神を倒した直後にザシアンも倒せるような火力を持っている場合(ムゲンダイナ等)、手貼り+ソーサー+ソーサー+ボスからの手貼り+ソーサー+ソーサー+ボスを要求されるのでかなり厳しいゲームに。
構築に朽ちた剣があり、3神を倒したポケモンのHPが290未満の相手(レッドパーフェクション等)だと手貼り+ソーサー+ソーサー+朽ちた剣で前を飛ばしてサイドを進められる分ボス要求ではないので少し楽。
デデンネが出ているならグレキャでも良いので繋がりやすい。


こんな感じになります。
(3神ザシアンは展開が読みやすい、という点はありますが)




他にもレッパvs3神のレッパ側後手視点なら


①オルター前に後1ホラーハウスGXで時間を稼ぎ、後2大開花、後3大開花でアルティメットレイまで言わせない

②オルター後の後2フレアドライブGXで3神を吹き飛ばし、アルティメットレイまで言わせない

③後1ファイアローVの紅蓮の翼や大開花で前の3神を傷物にするところからスタートする
(このパターンの場合、バトル場に3神が居なくて傷物にできなくても前のザシアン等を倒してサイドが進むならギリギリセーフ。ミュウミュウやレシリザでスタートした場合、相手のバトル場に3神が居るなら傷物にするためだけに3エネダブルブレイズでGX権消費も許される)

④オルターからアルティメットレイまで許してしまいそうな場合、ベンチを絞り、アルティメットレイでサイドが進まない展開を作ればミラクルツインGXで回復することで次のブレキャリ260をミュウミュウが耐えてワンチャン生まれる

これら①~④のどれかを成立させた上で、3神を飛ばした返しに「手貼り+ソーサー+ソーサー+朽ちた剣ブレキャリ290」が飛んでこなければザシアンと残り適当なポケモンを1体処理して勝ち。ベノムシュートの準備までしておけばラストターンにボス要求にならずに済むので理想。


みたいな感じでしょうか。


こんな感じで「各対面でどのターンに何をしたいか、何をすべきか」が見えてくると試合の先が見えてくるので対戦中に「今走るべきか否か」がわかるようになります。


更なる具体例を挙げるなら3神ザシアンvsムゲンダイナ、自分が先2オルターに対してお相手は上手くポケモンが並ばなかったようで後2ドレッドエンド180。


自分のハンドには鋼エネルギーとプレシャスボールとその他数枚、ベンチにはザシアンやクチートがいるのでとりあえずアルティメットレイからアタッカーにエネを付けるところまでは確定できている状況。


また、現状相手のベンチにはクロバットが居るのでボスを引き込めばこのターンにサイドを3枚進めるルートも狙えそうではあります。
(今回はベンチのクロバットがVMAXに進化するパターンはないものとします)


こんなとき、手札のプレシャスボールからデデンネでボスを探しにいくか否か。


僕ならドロー手貼りアルティメットレイで即ターン終了します。


理由は当然、「このターンは走らなくても大丈夫なターンだから」です。


何故それがわかるかといえば、上記の「①オルター後に3神が生き残っている場合」にある「アルティメットレイ+ブレキャリで前のアタッカーを落として次のターンにボスで勝ち」のルートが事前にわかっているからです。


3神でムゲンダイナに180。3神が落とされ、ザシアン260でムゲンダイナ突破。ボスを撃つのは次のターンで十分というわけです。
(山彦ホーンや『裏縛られてドガスのバッドポイズンが~』みたいな話はさておき。ゲーム展開の具体例を説明したかっただけなので。山彦ホーンはともかく、レイまで繋がっている盤面ならドガスで1体毒殺される展開になっても勝てそうですけど)


このルートを把握しておくことで、今回はプレシャス、デデンネ、ボス等を温存することができました。
(当然、その分スタンプ耐性も上がります)


あとは今と同様に事前のルート想定の分岐をなるべく増やしていけば「走るべきターン」と「走らなくてもいいターン」の区別は勝手に付くようになってきます。
(レイまで繋がらなかったら?先2で前のザシアンが倒されてサイドが進んでいる展開は?といった感じで場合分けをしていきます)


また、当然「負けパターンの事前把握」もできるようになるので、例えば

「3神がオルター後に落ちたパターンで、即座に手貼り+ソーサー+ソーサーを抱えるのが厳しいな→だったらザマゼンタを1枚入れて、スタンプ+ザマゼンタ+不撓の剣で1ターンだけVMAX相手に時間を貰えるようにしたら手貼り権も稼げるしワンチャンあるんじゃないか?」

「そもそも3神がオルター後に落ちるのが悪いわけで、だったらお守りの枚数を1→2に増やしてみたり、エール団などで妨害してそもそもアルティメットレイまで繋がるようにする確率を上げることはできないだろうか?」

のような、「何となく強そう」ではない「明確な採用理由を持ったカードの投入」ができるようになります。


そうなると、「適当な60枚」から「明確な意志のある、洗練された60枚」が生まれ、あとはそれをブラッシュアップしていけば自然と「そのプレイングに合った構築」が出来上がっていくわけです。




・終わりに


ゲーム展開を“事前に”理解する

そのゲーム展開に沿ったプレイングを身につける(アクセルとブレーキを把握する)

事前に思い描いたゲーム展開を遂行させられるような構築に寄せていく(60枚の最適化)


このプロセスは上記の3神ザシアンなどに限らず全ての構築で役に立ちます。


また、当然のことながら全ての対面が「進研ゼミで見た!」対面になるのでプレイングに迷いが生じません。


特にCLだと緊張からリスク回避的な思考に囚われ適切な判断を下せなくなってしまう人は多くいます。


今度のCL愛知ではCL横浜落選者の当選確率が上がっている仕様上「大型大会めっちゃ久々! or 初めて!」という人も多いでしょう。


そんな中で信用できるのは環境読みでも緊張しないおまじないでもなく、経験に裏付けられた自分のプレイングと構築だけです。


最後に、僕が一番好きなとある記事の言葉を載せて終わりたいと思います。




「あらゆる要素が束になってかかっても、磨き上げられた技術から繰り出されるプレイほど勝敗に影響するものはない」

「Nで固まるデッキはデッキじゃない」

「いやぁ、本当にリセットスタンプで事故らないですよねー。何かそういう、カットの工夫とかされてるんですか?」


1~2ヶ月前くらいだろうか。とあるジムバトルにて言われた言葉である。
(この時点でフォローしておくが、その言葉を発してきた知り合いに悪意はなく、単に感想を述べただけである)


勿論そういう“カットの工夫”なんてものをやっているとするならA級イカサマ行為なので

「いや全くです。単に運が良かっただけですね(笑)」

と返したのだが、とはいえ“スタンプで事故らないカットの工夫”は無くとも“スタンプで事故りにくくなるような構築およびプレイの工夫”は存在する。


B落ちのタイミングで新たに構築を組む人も多いと思うので、今回は自分の中でスタンプ後に事故りにくくするために意識しているポイントのようなものを少しでもわかりやすく説明できたらと思う。




・「Nで固まるデッキはデッキじゃない」


Bも落ちようというこのご時世に昔のカードの名前が出てきて恐縮ではあるのだが、自分がポケモンカードを始めた時期は“N”というカードが存在していた。

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簡単に言うと自分と相手に効果のあるリセットスタンプみたいなもので、この時代のゲーム終盤はお互いにNを撃ち合う展開になることが大半だった。


そこで言われていた(正確には自分の尊敬するポケカプレイヤーが言っていた)のがこの「Nで固まるデッキはデッキじゃない」である。


当然、Nを受けて手札が固まってしまい返しにドローゴーでもしようものなら当たり前にゲームに負けてしまうわけで、かつ、Nは自分にも効果のあるリセットスタンプなので「自分のNで固まらないこと」も大事な要素だった。


当時、純粋無垢なる幼女だった自分はその言葉に感銘を受け、「如何にしてNで固まらないか」を軸にデッキ選択を決めていった。


自分が使っていたデッキの内、メガサーナイトEXとルガゾロは特にその典型である。


メガサナには仲良しレスキュー(昔のレスキュータンカのようなカード)を3枚採用しており、引き上げるカイリューEX等も含めドローに繋がるカードを最大限採用することで「そもそもの当たり札」がデッキ内に多くNから復帰しやすい。


ルガゾロは言わずもがな、取引があるので手札が細くなろうと盤面にドローリソースがあることからそもそもNが効きにくい。


Nで固まらないために、この「山に当たり札が多い」と「盤面に置きリソースがある」の思考を当時の段階で蓄えられた点が、今の自分のリセットスタンプ耐性に繋がっているのだろうと感じる。




・「山の圧縮」とは?

では、山に当たり札が多い状況とはどのようにして生まれるのか。


その中でよく使われるのが「山の圧縮」という言葉である。


山の圧縮。山から当たり札以外の不純物を可能な限り減らした状態。


山から当たり札以外を減らせば、当然のことながらリセットスタンプで当たり札を引ける可能性が高まる。


ただ、ここで間違ってほしくないのが、「ドローカードを使って山を掘り進めること」および「山の枚数が少ない“だけ”の状態」が必ずしも「山の圧縮」に繋がるわけではないということである。


大事なのは(相対的にでも)「山に当たり札の“割合”が多くなるように立ち回ること」である。


以前、フリーにて知り合いが使うオンバーンゾロアークを後ろから眺めていたことがある。


ゲーム終盤、進行は知り合いが有利。前のゾロアークに2個玉を貼ることができ、そのターンにライオットビートで前のポケモンを倒しつつ次のターンにフラダリ(今で言うボスの指令)でゲームに勝てる状況。


と、そんな中で知り合いは手札のプラターヌ(今で言う博士の研究)を使用した。ハンドにあるフラダリを切り捨てながら。


「ちなみに今って何でプラターヌ使ったの?」

「次のターンに相手からNが来そうだったんで山掘っておいた方が良いかなと思いまして。あとこのターンまだサポート使ってなかったですし」

「N来ることが予想できてたこと自体は良いんだけどさ、じゃあNされた結果自分の手札に欲しいカードって何?」

「フラダリっすね」

「んじゃ今プラターヌでフラダリ切り落としたら山は掘れてもNされた後に自分がフラダリを引き込める確率って下がらない?」

「あー、なるほど……確かにそうっすね」


上記のケースは簡単すぎるかもしれないが、「スタンプを撃たれた結果、自分は何を引き込みたいのか」を考えながらゲームの中盤をプレイすることは、最終的にスタンプ耐性に繋がる。
(何も考えず、雑にリソースを切りながら山を掘り進めるより、敢えて動かずリソースを保持していた方が結果的に望ましい場合は多々ある)


これがフラダリのような直接的なカードなら間違う人も少ないのだが、デデンネクロバットおよびそこに繋がるボール系統のカードになると勿体ないことをしてしまっている人が多い印象である。


「そこ、プレシャスボールからデデンネで走ってまで欲しいカードってある?」

「いや、サポまだ撃ってないんで」

「でもさ、結局今のハンドでも前のポケモンは倒せるわけだし、このままサポ撃てなくてもいいからデデンネで走らずに素直に前を倒しておけば返しでスタンプ撃たれたとしてもプレシャスボール1枚とデデンネ1枚、計2枚の当たり札をキープできるんじゃない?」

「あー、確かに」


この辺りの無駄使いが減ると山にデデンネクロバット、クイック、プレシャス辺りが多く残った状態でスタンプを受けるので、それは当然スタンプで固まりにくいというわけである。


「山から不純物を無くす」という意味の圧縮も大事だが、それよりも「当たり札を無駄使いしない」という視点(山の逆圧縮を避ける、という視点)でプレイができるとよりスタンプ耐性が高まる。




・置きリソースの大切さ

先程までがプレイによる山の当たり札の増加(減少防止)だとしたら、ここからは構築そのもので事故りにくくする話になる。


とはいえこれは上記のプレイングの話と比べると直接的で、単に「盤面に先置きできる、ドローに繋がるポケモンを入れましょうね」という話である。


具体的な例を挙げるなら願い星ジラーチオドリドリなどだろうか。
(過去レギュならやはりゾロアークが強かった)


例えば自分は3神ザシアンにジラーチを3枚投入していたが、これは「サイドを3-2-1で取られるリスク」よりも「終盤のリセットスタンプで事故らないこと」を評価した結果である。
(ジラーチはリセットスタンプ後だけでなく序盤にも活躍するので本当に強かった)


XY期はゾロアーク、A落ち後に触ったピカゼクと3神ザシアンにはどちらもジラーチを採用、そして今、B落ち前提で仮組みしている構築のほぼ全てにオドリドリを採用している。


当たり札はどれだけ割合を高めようと結局は“欲しいタイミング”で引かねばならないが、盤面に置けるポケモンはハンドが細くなる前に事前に準備しておくことが許されるので“引ける引けない”のカードゲームにありがちな運要素をある程度拒否できるのが特に高評価で、CLのような対戦数の多い大会を勝ち抜く視点でも大切な要素だと感じている。
(自分が友達手帳を高評価しているのもこの点からである。単純にゲーム中盤に“撃っておく”ことができるカードなのは勿論として、『初手ボス2枚を博士で切らねばならないハンドになってしまった』のような“カードゲームとしての性質上どうしても発生してしまう可能性のある下振れ”をケアできる)


このように「事前に盤面に置いておけるドローポケモン」を多く採用し、リセットスタンプ前に盤面を揃えておくことで、上記にあった「山の圧縮」の話も加えてリセットスタンプからの復帰がかなり容易となる。




と、ここまで書いてきて「当たり前のことすぎる!」と怒られそうだが、自分が今まで他人のプレイを後ろで見てきた限りではこの辺りまで意識しながらプレイできている人は結構少ない印象である。


と、同時に、このほんの少しの意識を変えるだけで多少なりとも勝率が変わるとするなら、自分がプレイを見てきた方々の状況はとても勿体ない状況だとも思っている。
(だからこそ、この『当たり前のこと』を題材にブログを書く気になった)


CLやシティのようなCSPが得られる大会で1番大事なのは勝率の高さ、下振れの低さ、つまるところ「安定感」だと思っている。
(この安定感の大切さはデッキとしても、プレイヤーとしても、両方に当てはまる話である。CLはもうCSPの枠組みとは別の大会となってしまったが)


スタンプなどで固まらず、捲られず、「有利ゲームを有利なまま走りきること」をきっちりと達成できるだけでもプレイヤーとしての安定感は大きく向上する。


長くなってしまったが、ここまで見てくれたプレイヤーの方々の「Nで固まらないデッキ作り」および勝率向上の一助となれば幸いである。




質問等あればTwitterのDMにでも送ってもらえたら反応します。


それでは皆さん、Nで固まらない良きポケカライフを!